福島県産野菜を首都圏などに届け、復興手助け 富岡町で「加工工場」完成 量販店や外食企業に販売へ

完成した工場内のタマネギの加工ラインを見学する関係者

 野菜の加工などを手がける彩喜(本社・埼玉県川口市)が福島県富岡町の富岡産業団地に整備していた「福島広域野菜加工工場」が2日、完成した。双葉郡などの福島県内産野菜をカット野菜などに加工し、首都圏などの量販店や外食企業に販売する。県産野菜を県外に届け、復興を手助けする。

 工場は鉄骨造りの平屋で延べ床面積は約4247平方メートル。総事業費は約36億円。集荷したタマネギやブロッコリー、キャベツなどを保管庫で冷蔵して鮮度を保ち、カット野菜やカップサラダに加工する。冷凍野菜なども製造する。

 同社によると、1日当たり約2万パックの製造が可能で、今後は10倍の製造量を目指す。パート従業員約10人を地元から雇用している。今後、隣接地に保管機能を備えた流通センターを建設する。グループ会社の福岡ソノリクが、浪江町や双葉町に農業生産法人を設立し、野菜の生産に取り組む予定。

 現地で竣工式を行い、園田寿俊社長が「首都圏、東北エリアの物流網を構築し復興・社会貢献に取り組む」とあいさつした。山本育男町長が「営農再開につながる。町としても支援する」と述べた。

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