国連安保理、ガザ戦火拡大に懸念 米、イランの報復宣言に警告

シリアにあるイラン大使館建物への攻撃について協議する国連安保理緊急会合=2日、ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は2日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館建物への攻撃を協議する緊急会合を開いた。国連や各国からは、イスラエル軍とイスラム組織ハマスのパレスチナ自治区ガザでの戦闘が中東の広範囲に拡大することを懸念する声が相次いだ。米国は報復を宣言しているイランに「状況を利用して米国人を攻撃しないよう」警告した。

 会合で国連のキアリ事務次長補は、外交施設への不可侵や領土の保全は国際法などに基づき尊重されなければならないと指摘。「すべての関係者に最大限の自制と緊張緩和を求める」と訴えた。

 イランの代表は「イスラエルによるテロ攻撃」とした上で、イスラエルを支援する米国にも責任があり、両国が中東を不安定化させようとしていると強調した。シリアの代表は3月25日に安保理で採択されたガザ停戦決議をイスラエルと米国が軽視していると批判した。

 米国のウッド国連次席大使は、米国は攻撃に関与していないと再三繰り返し、イランやシリアに、これ以上緊張を激化させないよう求めた。

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