矢板市長選候補者アンケート 森島氏、雇用・経済政策充実へ 斎藤氏、持続可能な地域を構築

矢板市長選候補者アンケート

 【矢板】任期満了に伴う市長選は7日の投開票まで4日となった。下野新聞社は、立候補しているいずれも無所属で、前市議の新人森島武芳(もりしまたけよし)氏(37)と、3選を目指す現職斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)氏(51)に6項目のアンケートを行い、市の最重要課題や人口減少対策などについて考えを聞いた。

 少子高齢化の進行や地域経済の衰退が懸念される中、現在の市の最重要課題について、森島氏は雇用・経済の減退が人口減少を加速させているとしてその政策の充実を挙げ、斎藤氏は人口減少の克服と適応の方向性を両立させて持続可能な地域を構築すると明言した。

 市の人口は1998年をピークに漸減傾向で、昨年10月には約半世紀ぶりに3万人を割り込んだ。人口減少対策で重視する施策で、森島氏は雇用・結婚・子育てなどの施策の拡充、斎藤氏はバランスある施策の展開と回答した。

 2011年の東日本大震災や19年の台風19号では市内も大きな被害が出た。能登半島地震など全国的に大規模災害が多発する中、喫緊の課題となる災害対策に関しては、森島氏は県との連携を強めて浸水被害を繰り返さない対策を実行する、斎藤氏は自身の防災士資格も生かし災害対策本部の機能を強化するとした。

 人口減少と高齢化が深刻化するとされる2040年頃を見据え、市町村の広域連携を推進する必要性が指摘されている。広域連携の進め方について、森島氏は成長産業の広域的集積化などで長期的展望の共通理解が重要、斎藤氏は北那須の市町との観光連携を強化しテーマに応じた連携を継続するとした。

 10年後を想定した市として目指す将来像については、森島氏は雇用・経済の基盤が再生し行政サービスにあふれる、斎藤氏は100年後も消滅しない市の基盤ができあがっている状態を掲げた。

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