お風呂は節約しているのにガス代がなかなか下がりません。毎日の調理にお金がかかっているのでしょうか?

世帯人数別の平均ガス代

総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2023年」によると、世帯人数別の平均ガス代は図表1のとおりです。

【図表1】

※総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」を参考に筆者が作成
※総世帯の場合

図表1のように、1ヶ月あたりの平均ガス代は3000〜5000円前後です。最も高いのが3人世帯の5591円で、単身世帯と比べて2232円高くなります。例えば、月のガス代が5591円の場合、年間のガス代は6万7092円となります。

ガスコンロのガス代の目安

ガスコンロのガス代は、以下の計算方法で求めることができます。

・ガス代:出力(kW立方メートル)×3.6MJ/h×時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/立方メートル)×ガス料金(円/立方メートル)

一般的な都市ガスの発熱量は、45MJ//立方メートルです。また、ガスの出力(消費量)は、以下のとおりです。

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・標準バーナー2.97kW
・強火力バーナー4.20kW
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※リンナイカタログより

上記の条件で、ガス料金を167.28円/mとした場合、ガス代は次のようになります。

__・標準:2\.97kW×3\.6MJ/h×1h÷45MJ/立方メートル×167\.28円/m=約39\.7円
・強火力:4.20kW×3.6MJ/h×1h÷45MJ/立方メートル×167.28円/m=約56.2円
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※ガスを1時間使用した場合

また、プロパンガスの場合、発熱量は99MJ/立方メートルで、ガス料金は626.7円とします。この場合、ガスコンロのガス代は、以下のとおりです。

__・標準:2\.97kW×3\.6MJ/h×1h÷99MJ/立方メートル×626\.7円/m=約67\.6円
・強火力:4.20kW×3.6MJ/h×1h÷99MJ/立方メートル×626.7円/m=約95.7円
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※ガスを1時間使用した場合

1日1時間使用の場合、1ヶ月(30日)にかかるガス代は、都市ガスが1191〜1686円程度、プロパンガスが2028〜2871円程度となります。

お風呂のガス代の目安

お風呂のガス代は、以下の計算式で求めることができます。

・ガス代:湯量×(上昇温度)÷(発熱量kcal/立方メートル×熱効率)×ガス料金

ガス料金は都市ガスが167.28円/m、プロパンガスが626.7円/mです。また、発熱量は東京ガスが10750kacl/立方メートル、プロパンガスが24000kacl/立方メートル、熱効率は80%とした仮定した場合のガス代は、以下のとおりです。

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・都市ガス:200L×(40度−20度)÷(10750kcal/立方メートル×80%)×167.28円/m=約77.8円
・プロパンガス:200L×(40度−20度)÷(24000kcal/立方メートル×80%)×626.7円/m=約130.5円
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※湯量200L、20度から40度まで温めた場合

1ヶ月(30日)にかかるガス代は、都市ガスが約2334円で、プロパンガスが約3915円となります。

ガス代の節約方法

ガス代の主な節約方法は、次のとおりです。

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・給湯器を使ってお湯を沸かす
・料理は作り置きする
・バーナー部分をこまめに掃除する
・追い焚きの回数を減らす
・家族の入浴時間を集中させる
・お湯の量を少なめにする
・お湯が冷めないようにフタをする
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これらの方法によって、火やお湯の使用量を減らすことができ、ガス代を節約できます。使用量を極端に減らす必要はありませんが、適切な使用量かどうかを定期的に確認することが重要です。

無理のない範囲でガスコンロやお風呂のガス代を節約しよう!

本記事の試算によると、毎日の調理にかかるガス代は、都市ガスが約39.7~56.2円、プロパンガスが約67.6~95.7円となります(1時間使用の場合)。また、お風呂に関しては、都市ガスが約77.8円、プロパンガスが約130.5円です。

日々のガス使用量を削減することで、家計を節約できます。この機会に、ガスの使用量が適切かどうかを確認してみましょう。

出典

総務省統計局 家計調査(家計収支編)2023年
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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