原油先物続伸、米在庫減や地政学的要因で供給不安高まる

Arathy Somasekhar

[3日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続伸している。週間統計で米原油在庫が予想以上に減少したほか、地政学的な緊張が高まっており、供給不安が強まった。

北海ブレント先物は6月限が0.20ドル高の1バレル=89.12ドル。米WTI先物5月限は0.17ドル高の85.32ドル。

両指標とも前日は昨年10月以来の高値に上昇していた。

業界団体の週間統計によると、先週の米原油在庫は230万バレル減少と、ロイターがまとめた市場予想の150万バレルよりも大幅な減少となった。

地政学的要因では、ウクライナが無人機(ドローン)でロシアの主要製油所を攻撃。

またイランのライシ大統領は、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺が空爆され軍司令官など7人が死亡したことを受け、イスラエルに対して報復すると表明した。

メキシコの国営エネルギー会社ペメックスは、最大43万6000バレルの輸出を中止するよう取引部門に要請。さらなる供給逼迫につながるとみられる。

供給逼迫に懸念があるにもかかわらず、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が3日に開く閣僚級会合で生産目標を変更する可能性は低いと、関係筋が明かした。

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