各家回るご神体 金山・山崎「山の神勧進」

ご神体を背負った男の子たちが各家庭を訪れ、住民が家内安全や疫病退散などを願った=金山町山崎

 最上地域に伝わる伝統行事「山の神勧進」が2日、金山町山崎で繰り広げられ、ご神体を背負った男の子たちが各家庭を回り、神様の到来を告げた。

 山の神と田んぼの神が入れ替わるとされる旧暦の3月3日に毎年実施している。山の神は女性とされることから、男子だけで各家庭を訪問する習わし。木の箱に入った約20キロのご神体を大将と呼ばれる地元中学生が背負い、他の子どもたちは縄につないだご神木を持って回る。

 1~13歳の15人ほどが参加し、約80軒を回った。大将でともに金山中2年小野陽汰(はるた)さん(13)と星川凛大(りお)さん(13)を中心に「山の神の勧進、勧進」と、大きな声を出しながら玄関先でご神木を振り下ろした。出迎えた住民は無病息災や子孫繁栄を祈願し、静かに手を合わせた。農業小野富雄さん(70)は「子どもたちの姿に元気をもらった。地域の伝統を残していくことは大切だ」と話した。

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