島の魅力発信これからも…「高速船甑島」就航10周年 観光、ビジネス客ら42万人が利用

就航10周年を迎えた高速船に手を振り見送る関係者たち=2日、薩摩川内市の川内港高速船ターミナル

 鹿児島県薩摩川内市の川内港と甑島を結ぶ「高速船甑島」(197トン、定員200人)は2日で就航10周年を迎え、記念の式典が川内港ターミナル前であった。関係者ら約20人が参加し、節目を祝った。

 式では田中良二市長が船長へ花束を贈呈。乗客40人にオリジナルの御船印を配り、出港する船を見送った。運航する甑島商船(鹿児島県いちき串木野市)の鈴木一浩専務(64)は「10年間で多くの方に利用していただいた。今後も甑島の魅力を発信していきたい」と話した。

 友人との観光で初めて乗った鹿児島大学2年篠崎遥希さん(19)は「椅子の柄がきれいで、また乗りたい。甑島では釣りと甑大橋が楽しみ」。家族で利用した鹿児島市の里中利恵さん(58)は「立派で海外の人も喜ぶようなデザインだと思う」と船内を見渡した。

 高速船は2014年4月2日に就航。川内港と甑島の里、長浜の各港を1日2往復する。観光やビジネス目的の利用が多く、24年3月末時点で延べ約42万人が利用した。

 甑島への定期便はほかに、串木野港を発着する「フェリーニューこしき」(940トン、定員400人)がある。老朽化に伴い新船を建造中で、25年3月に就航予定。

乗客に記念品を渡す関係者ら=2日、薩摩川内市の川内港高速船ターミナル

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