レイチェル・ポッジャー、英国音楽の変化を室内楽で辿った新作『取り戻されたミューズ』を発表

バロック・ヴァイオリンの第一人者、レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger)が、17~18世紀初頭に作曲された英国室内楽を弾くアルバム『取り戻されたミューズ ~英国バロックの室内楽』が5月24日(金)に発売されます。

演奏は、ポッジャーとポッジャーが設立したアンサンブル“ブレコン・バロック”、市瀬礼子(6弦バス・ガンバ)、フェリクス・クネヒト(チェロ)、エリザベス・ケニー(テオルボ、アーチリュート、バロックギター、ルネサンス・リュート、バロック・リュート)、マルツィン・シフィオントキェヴィチ(チェンバロ、オルガン)。2023年11月に英・ロンドン、アッパー・ノーウッドの福音書記者聖ヨハネ教会で録音されました。

16世紀から17世紀にかけて、エリザベス女王の時代に欧州最大級の洗練された音楽文化を誇ったイングランドは、17世紀半ばの清教徒革命による文化破壊でその伝統が途絶えかけたものの、1660年の王政復古を経て徐々にかつての活況と豊かさを取り戻し、フランスやイタリアの最先端の流行からも大きな影響を受けつつ新たな音楽世界を花開かせます。本盤はその勢いの只中で活路を見出したドイツ人作曲家ヘンデルのソナタに始まり、王政復古期の新潮流の礎を築いた革命前夜の室内楽まで時代を遡った後、バロック期の英国人たちを惹きつけたスコットランドやアイルランドの伝承音楽にも触れながら、徐々に18世紀へと年代を追って英国音楽の変化を辿っていきます。

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