20歳代で「住宅購入」は可能? どのくらいの世帯年収になったら買える?

20代で住宅を買いたいと思えるのは「年収900万円以上」が多い

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の「20代の金銭感覚についての意識調査2024」によると、20代の半数以上が住宅を購入しようと思える年収は900万円で、前回調査の800万円より100万円上昇しています。詳細は、図表1のとおりです。

【図表1】

※SMBCコンシューマーファイナンス株式会社「20代の金銭感覚についての意識調査2024」をもとに筆者が作成

年収が900万円あれば住宅を購入したいと答えた人が半数以上である一方、約4人に1人が「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答しています。

20歳代の平均年収

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、20代の平均年収は図表2のとおりです。

【図表2】

※国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者が作成
※平均年収は男女計の金額

図表2のとおり、20代の平均年収は200〜300万円台であり、年収900万円には遠く及びません。また、全世代の平均年収は457万6000円です。

ただし、年収が900万円以下でも住宅ローンを組み、家を購入することは可能です。年収が低いからといって、必ずしも家を購入できないというわけではありません。必要な年収は、借入希望額や金融機関・住宅ローン商品によって異なります。

20歳代の金融資産保有額・貯金額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果」によると、20代の金融資産保有額の平均は151万円であり、中央値は10万円でした。詳細は、図表3のとおりです。

【図表3】

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果」をもとに筆者が作成

「金融資産なし」と回答した人は42.2%もおり、金融資産を持つ人の中で最も多い金額帯は100万円未満で、その割合は22.6%です。

一般的に、住宅購入時に必要な自己資金は物件価格の1〜3割程度と言われるため、貯金が100万円ほどの場合、自己資金を捻出するのは難しい可能性があります。

そのような場合、自己資金を貯める、親族から援助を受ける、自己資金なしでローンを組むなどの方法が考えられます。

20歳代で家を買うメリット・デメリット

20代で家を購入することには、住宅ローンの返済期間を長く設定できるというメリットがありますが、同時に借入可能額が制限されるというデメリットも存在します。これらのメリットとデメリットを理解することは、20代で家を購入するかどうかを判断する際に役立ちます。

本項では、20代で家を買うメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット

20代で家を買うメリットは、次のとおりです。

__・住宅ローンの返済期間を長く設定できる
・定年前までに完済することが可能である
・老後の資産形成がしやすくなる__

以前は、最長35年の住宅ローンが一般的でしたが、現在では最長50年の住宅ローンも利用可能です。年齢が若いほど、より長い返済期間を設定できる可能性があります。

また、20代で住宅ローンを組むと、定年までに完済することも可能です。定年までにローンを完済すれば、老後の資金準備がしやすくなり、生活にも余裕を持つことができます。

デメリット

20代で家を買うデメリットは、次のとおりです。

__・借入可能額が少ない
・貯金が少ない
・人生の不確定要素が多い__

20代は収入や貯金が低い傾向にあるため、住宅ローンの借入可能額も制限されることがあります。そのため、希望の条件に合った家を購入することが難しい場合があります。

また、転職、転勤、結婚、出産、離婚、病気など、30代以上と比べて人生の変化や不確定要素が多いため、将来、選んだ選択に後悔する可能性も考えられるでしょう。

長期的な視点を持って慎重に検討することが大事

20代の場合、30代以降と比べて収入や貯金が少ないことが一般的であり、また、人生の不確定要素も多いです。しかし、収入や貯金が少ないからといって、必ずしも家を購入できないわけではありません。

20代で家を購入すれば、住宅ローンの返済期間を長く設定することができ、老後への準備もしやすくなります。

住宅ローンの借入可能額は金融機関によって異なるため、20代での住宅購入を検討している方は、一度、不動産会社や金融機関に相談してみることをおすすめします。

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果
SMBCコンシューマーファイナンス 20代の金銭感覚についての意識調査 2024

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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