南アジアで雇用創出に遅れ、「人口ボーナス」無駄にする恐れ=世銀

Uditha Jayasinghe

[COLOMBO 2日 ロイター] - 世界銀行は2日公表した報告書で、インドなど南アジア諸国における雇用創出が生産年齢人口の増加に追いついていないため、経済成長率を高める「人口ボーナス」を無駄にする恐れがあるとの見方を示した。

報告書によると、2000年から23年までの年間平均で同地域の生産年齢人口は1.9%(1900万人)増えた一方、雇用は1.7%増(1000万人)にとどまった。

インドの雇用率は2000年から22年までの間、ネパールを除く他の南アジア諸国よりも低下した。

世銀は「(南アジア)全体として2000─23年は、雇用の伸びが生産年齢人口の伸びを大きく下回っており、雇用率は低下した」と説明した。

その上で報告書は、南アジア諸国は雇用創出を加速するため、政策改善が必要と指摘した。具体例として、生産性の高い企業に雇用を奨励する措置や、労働市場と不動産市場に関する規制の簡素化、貿易の一段の自由化を挙げた。

世銀は南アジアの2025年3月末終了年度の域内総生産(GDP)成長率を6.0─6.1%と予想。6.6%成長が見込まれるインドが全体をけん引する見通しだ。

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