JR東海の入社式でリニア問題が…開業が2034年以降になったことについて川勝知事は

JR東海が2027年の品川-名古屋間のリニア新幹線開業を断念すると正式に表明したことで波紋が広がっています。

三島市にある研修センターで開かれたJR東海の入社式。

新入社員453人が集まりました。

JR東海 金子慎会長 三島市 午前10時半ごろ
「現在当社は超電導リニア方式による中央新幹線の建設に取り組んでいる。このプロジェクトを進めるために、いろいろな困難・苦労があるが、私たちは日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献するという当社の理念を今よりもさらに力強い形で実現していこうと、そういう強い使命感でこの計画を進めている」

品川-名古屋間を最速40分でつなぐ、リニア新幹線。

元々は2027年に開業する計画でしたが…。

3月29日 丹羽社長が

JR東海 丹羽俊介社長 3月29日
「残念ながら品川‐名古屋間の2027年開業は実現できないと考えている」

水資源や南アルプスの自然への影響などを懸念する静岡県は工事着工を認めず、契約から 6年 4カ月が経過しても工事は始まっていません。

工期は 10 年とされていて、開業は早くても2034年以降になる見通しです

知事とJRは

川勝知事 2017年10月
「堪忍袋の緒が切れた」

2017年10月、川勝知事の突然の反対表明でした。

静岡県とJRの対話が進まない状況を受け、国も調整に乗り出します。

大井川の水問題の議論は、国の有識者会議へとテーブルを移したのです。

議論が続く中、2027年開業に間に合わせる“最後のタイミング”として開かれたのが川勝知事とJR東海の金子社長(当時)のトップ会談でした。

文字通りお茶を濁したような会談に終わり、事態の打開には至りませんでした。

その後、国の有識者会議は大井川の水問題について、必要な対策を講じれば「中下流域を流れる川の水量は維持される」とし、環境保全についても事前に水量などのデータを確認し、対策を図ることで影響を最小化するとの検討結果を取りまとめています。

川勝知事は新入職員に対し

リニア新幹線をめぐり、全国から再び注目される状況の中、川勝知事はきょう県庁で新入職員に訓示しました。

川勝知事:
「上にへつらわない。仮に威張る人がいたらこういう上司にならないと反面教師にして。言葉遣いが非常に大切。ですます調で礼儀正しく」

JR東海が2027年の開業を断念したことについて問われると…。

川勝知事
Q.コメントした『静岡工区以外の工区は2027年までに完了できる』の真意は?

「コメント以上のことはありません」

Q.部分開業を進められるということ?

「…(無言)」

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