“ボンネットよじ登り”“時計盗む” バルサ選手たちは練習場に押し寄せる悪質インフルエンサーに辟易、メディアも指摘「“自称ファン”が……」

写真:I・マルティネスをはじめとするバルセロナの選手たちが悪質インフルエンサーの被害に…… ©Getty Images

バルセロナの選手たちが、練習場に押し寄せて迷惑行為をはたらく悪質インフルエンサーに辟易している模様だ。

バルセロナでは、練習施設周辺環境の問題が度々指摘されている。現地時間3月30日に行われたラ・リーガ第30節のラス・パルマス戦(〇 1-0)の翌日、リカバリー練習を終えたスペイン代表DFイニゴ・マルティネスが車で帰路につく際に数名のインフルエンサーに罵られ、口論に発展。I・マルティネスが罵声を浴びせたと思われる若者を「バカなんて呼ぶのはこれで最後だからな!」と怒鳴りつける様子が、X(旧ツイッター)などのSNSで拡散された。なお、I・マルティネスを罵った若者は、過去に“マドリディスタ”(レアル・マドリードのファン)であることを自身のXアカウントで公言していた。

スペイン紙『エル・デスマルケ』の取材に応じたスペイン人ジャーナリストのダビド・イバニェス氏は「バルサの選手たちはこうしたエピソードにうんざりしている」と語り、選手たちを取り巻く環境が決して良くないことを主張した。

「I・マルティネスが自分を侮辱した若者と対峙する姿は、何も今回初めて目にした類のものではない。こういった日常から抜け出すことができず、バルサの一部の選手からすればまさに地獄のような状況なんだ」

「毎日、同じような若者たちがスマートフォンで録画したり、サインを求めたりする。問題なのは、彼らのような“自称ファン”がサッカー選手をまったく快く思っていないこと。侮辱したり、ひどいときには車のボンネットによじ登ったりすることさえある」

イバニェス氏は、暴走した悪質インフルエンサーが車を止めようとして道路に飛び出すなど、非常に危険な状況を作り出している点を指摘。同氏は、ポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキがサイン対応のために車を停めた際、約7万ユーロ(約1,200万円)相当の時計を盗まれるといった犯罪行為があったことも明かし、「選手たちはすでに非常に疲れている」と語った。

I・マルティネスやレヴァンドフスキ以外にも、昨年10月には、ポルトガル代表DFジョアン・カンセロがファンと口論になる様子がSNS上で拡散。過去にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシも“被害”に遭っている。法を無視して過激な動画の撮影を試みたり、サイン商品を転売したりして利益を得ようとする輩の取り締まりを強化し、選手たちを守る取り組みが求められている。

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