吉田正尚が代打で二塁打「うまくバットに乗ったかな」レッドソックスは執念の延長戦勝利

吉田正尚

【米国カリフォルニア州オークランド2日(日本時間3日)発=カルロス山崎通信員】レッドソックスの吉田正尚外野手(30)はアスレチックス戦の7回、代打で右翼線二塁打を放ち、1打数1安打で打率を2割5分とした。試合はDH解除に野手総動員、内野手5人制シフトとできる限りの手を尽くしたレッドソックスが延長11回の末、5―4でアスレチックスを下した。

レッドソックスは1点ビハインドの7回、二死三塁でこの日4番に入っていたストーリーが、代わったばかりの4番手右腕エルセグから右前適時打を放ち4―4の同点に追いつくと、ここでベンチが動く。開幕6戦目にして初めてベンチスタートとなった吉田が代打で打席に入ると初球、99マイルの内角ストレートを見逃しボール。2球目は90マイルの低めのチェンジアップにバットが止まりボール。3球目、外角へ逃げていく91マイルのチェンジアップをかろうじてバットに当て、三塁側ベンチ前に転がるファウルでカウントは2―1に。そして4球目、甘く入ってきた91マイルのチェンジアップを捉えると、打球は低いライナーで右翼ポール際のフェンスに到達する二塁打で二、三塁に。続くカサスは敬遠四球で二死満塁となるが、6番ラファエラは遊直に倒れた。だがレッドソックスは11回、オニールの三ゴロ併殺の間に三走が生還し、これが決勝点となった。

代打としてひと振りで仕留めた吉田は試合後、「全員で戦った勝利。ルールの中でうまく戦って、みんなで一丸となって掴んだ勝利だと思う」と充実した表情で振り返り、自身の打撃については「その前に一球、チェンジアップを見てタイミングが早かったので、少し入れて、うまくバットに乗ったかな」と淡々とした口調で話した。

同点の10回裏、内野5人制のため中堅から内野に向かうラファエラの内野用グラブをベンチから運び出したのは吉田だった。代打での1打席が終わった後も、自分にできる精いっぱいのことを当たり前のようにこなしていた吉田は改めて、今度は少しトーンを上げて言った。「いいゲームでしたね。乗っていきたいですね」

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