今季からリランキング制度が導入 競争力がさらにアップ?【ステップ丸わかり】

ステップで年間5勝を挙げて、昨年レギュラーツアーで大ブレークを果たした櫻井心那(撮影:福田文平)

4日(木)から3日間の日程で開催される「YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament」で国内女子の下部ツアーであるステップ・アップ・ツアーの新シーズンが幕を開ける。そこで、今年のステップ・アップ・ツアーについておさらいしよう。今回はリランキング制度について。

昨年12月に行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2024年トーナメント日程発表会見で、下部のステップ・アップ・ツアーでも『リランキング制度』が導入されることが発表された。

レギュラーツアーでは18年から導入されているこの制度は、シーズン途中に選手の出場優先権を見直す、というもの。一部の試合を除き、1年間の出場権が約束されているシード選手(永久、複数年なども含む)は対象外だが、主にQT(予選会)を経て出場する選手が対象となっている。

QT出身の選手はそのランクに応じて出場試合数やカテゴリーが決まるが、シーズン中も試合の結果により“調子がいい選手”に多くの出場機会を与えようというもので、メルセデス・ランキングが基準になる。QTを上位で通過したものの開幕後調子が上がらず、リランキングによって出場優先順位が大きく下がったり、あるいはその逆の現象もこれまで何度も見られた。

それが24年シーズンからはステップでも導入され、実施回数は、全37試合のレギュラーでは年2回行われるが、全20試合と試合数が少ないステップは年1回。今年は第14戦の「Sky レディースABC杯」(9月24~27日)後に行われ、10月の「ECCレディス」よりリランキングリストに基づき新たな出場資格が付与される。なおレギュラーツアーではポイントランクが基準になるが、ステップでは賞金ランクによって決まる。

ただステップを主戦場にする選手のなかには、免除される場合もある。
(1)前年度及び当該年度のステップ優勝者
(2)前年度の最終プロテスト合格者
(3)前年度のメルセデス・ランキング51~55位の者
(4)前年度のステップ賞金ランキング上位2位までの者
(5)前年度のQTファイナル出場者
(6)トーナメント特別保障制度に該当する者

例えば、昨年のQTファイナルには104人が出場しており、その選手はレギュラーツアーに出られなくても1年間は“職場”が確保されることになる。つまり、対象になるのはQTランク105位以下で、かつ上記の条件を満たしていない選手になる。ステップはQTランク150位ぐらいまでに入っていれば、ほとんどの試合に出場ができるため、実質的には“40ほどの枠”を争うイメージになりそうだ。JLPGA広報担当者は、「QTランク下位の選手にも、終盤戦の出場機会を得るチャンスを与えるため」とその意図を説明した。

22年にステップで5勝を挙げ賞金ランク1位に輝いた櫻井心那は、昨季レギュラーで4勝を挙げるブレークも果たした。昨年に比べ試合数は3試合減となったが、“競争力”がアップしたステップからニューヒロインが誕生するのか、目が離せない。

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