まさに“盗人に追い銭”リニア遅れで「兆単位」経済損失の川勝知事辞職へ、もらう退職金は累積「1億円超」

4月2日、静岡県庁で自身の発言について釈明する川勝平太知事(写真・時事通信)

4月2日、「6月議会をもって職を辞そうと思う」と、辞職を表明した静岡県の川勝平太知事。これまでも多くの問題発言や行動で批判を受けてきたが、4月1日の県の新入職員への訓示で「県庁というのはシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりということと違って、みなさま方は頭脳・知性の高い方たちです」と発言。これが職業差別だと猛バッシングを受け、ついに“ギブアップ”となった。

川勝知事は京都出身の75歳。早稲田大学教授、静岡文化芸術大学学長などを歴任し、2009年の知事選に民主党などの推薦を受け出馬、初当選した。その後も2013年、2017年、2021年の知事選で勝利し、現在は4期め。

川勝知事が全国的な注目を集めているのは、リニア中央新幹線の開業を遅らせた張本人とされる人物だからだ。2027年の開業を目指していたリニアだが、約9kmの静岡工区の着工を知事が認めないため、開業が早くても2034年以降になることが明らかになっている。

「県議に対し『ヤクザ、ゴロツキ』、菅義偉首相には『教養レベルが露見した』など、川勝氏の知事在職中の暴言・失言は数え切れません。1月には能登地震があったにもかかわらず、1月4日朝まで軽井沢の別荘に留まり、支援会議を欠席して地元メディア主催の賀詞交歓会に出席していたことも批判を受けました。

2023年7月には県議会に不信任決議が出され、1票差で否決されています。その原因となったのが、問題発言をめぐり給与など約440万円を返上するとしながら、実際には返上していないことが明らかになったためでした」(週刊誌記者)

川勝氏の「言動不一致」はこれだけではない。

「川勝氏は2009年の知事選で、約4000万円の退職金をゼロにすることを公約に、初当選を果たしています。1期めはそのとおり、退職金は返上されましたが、2期め、3期めは全額、受け取っています。その額は各4060万円。合計で8100万円超です。現在は4期めで、6月まで知事をつとめれば、退職金は約3000万円。これを受け取れば、退職金の総額は1億1000万円を超えることになります」(同前)

SNSでは

《川勝さん、退職金とボーナス返納しなさいよ。それでなくとも日本に大損失を出しているのだから》

《静岡県民川勝平太のボーナスと退職金の差押え位しろよ“盗人に追い銭”じゃないか》

《ボーナスほしさに6月に辞職とかあり得ない。即刻辞職し、退職金があるのならば全額返還せよ》

など、憤る声があふれている。

リニアの開業による経済効果は10兆円超とされるが、川勝知事が工事を遅らせたため、莫大な経済損失が生まれることは確実だ。とてもじゃないが、退職金の返上程度では足りない――。

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