トルコCPI、3月は前年比+68.5%に加速 予想やや下回る

Ezgi Erkoyun

[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比68.5%上昇と、伸び率は前月の67.07%から加速したものの、予想をやや下回った。ロイター調査では69.1%上昇が予想されていた。

前月比では3.16%上昇。2月の4.53%上昇、1月の6.7%上昇から鈍化した。予想は3.5%上昇だった。

ロイター調査では、インフレ率は年末までに43.75%に鈍化すると見込まれている。

3月CPIの内訳は教育費が最も値上がりし、13.1%上昇。通信費は5.65%上昇。食品と非アルコール飲料、住宅、飲食店などでも価格上昇が見られた。

3月末に投開票されたトルコ統一地方選挙は、最大都市イスタンブールなど多くの市長選で野党が勝利し、エルドアン大統領と与党・公正発展党(AKP)に大きな打撃となった。アナリストは、高インフレやイスラム教徒有権者の不満などが与党の敗因になったと指摘する。

AKPの幹部は「これまでよりも厳しい選挙になることは分かっていた。非常に厳格な財政政策を適用しているためだ。今は苦しいかもしれないが、将来の役に立つことは分かっている」と述べた。

AKP関係者によると、エルドアン大統領は2日、党の会議で高インフレが投票行動に大きな影響を及ぼしたとし「特に年金生活者が福祉の縮小で苦しんだ。こうした苦しみを緩和する取り組みが不足した」と述べた。

トルコ中央銀行は3月、市場の据え置き予想に反し、インフレ見通しの悪化を理由に政策金利を5%ポイント引き上げ50%とした。

シムシェキ財務相はCPI統計発表後、このところの金融および財政の引き締めがインフレ期待を固定化し、ディスインフレを支援するとの見方を示した。物価安定の目標を達成するまで全力を尽くすとした。

3月の生産者物価指数は前月比3.29%上昇、前年比51.47%上昇だった。

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