米作り88の手間、一冊に凝縮 奥州の男性3人「苦労知り食べて」

昔ながらの米作りの作業を冊子にまとめた(左から)菅原峯治さん、小野寺精一さん、佐々木秀康さん

 奥州市衣川の小野寺精一さん(85)、菅原峯治さん(95)、佐々木秀康さん(88)が力を合わせ、昔ながらの農作業をまとめた冊子「米づくり80.8(はちじゅうや)たび」が完成した。田植えや豊作祈願など1年間に行う作業を88項目にまとめ、手書きの解説とイラストで分かりやすく伝える。3人は「生産者の苦労を知り、米一粒でも大事に食べてほしい」と願っている。

 漢字の「米」を分解すると「八十八」となることから、米作りは88の手間がかかるといわれる。冊子は、農家の仕事始めの行事「農はだて」を皮切りに▽なっしょ(苗代)準備▽田ぶづ(田打(たうち))▽おだえ(お田植え)▽稲刈り▽稲こぎ(稲の脱穀)▽みずきならし-などを紹介している。

 A4判、96ページで110部を作成。印刷と製本、発行は衣川地区振興会(高橋厚会長)が担い、1部千円で販売。同地区の学校や地区センター、市内外の図書館などに寄贈する。申し込みに応じて増刷し、売り上げは、能登半島地震で被災した石川県輪島市にある棚田「白米(しろよね)千枚田」の復旧のため寄付する予定だ。問い合わせは衣川地区センター(0197.52.3426)へ。

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