緊張走る「津波警報」能登半島地震の教訓 上越市の住民の備え【新潟・上越市】

3日午前、台湾付近で発生した地震で沖縄県に一時、津波警報が発表されました。県内では元日の能登半島地震で31年ぶりに津波警報が発表され緊張が走りました。当時、津波による浸水被害があった上越市港町の住民は、教訓を生かそうと検証を進めています。

3日午前8時58分ごろ、沖縄県与那国島で最大震度4を観測する地震があり、沖縄本島地方などに津波警報が発表されました。その後、津波注意報に切り替えられ、正午に全て解除されました。
与那国島で30cm、石垣島で20cmの津波が観測されています。

泉秀夫さん(82)は、上越市港町の自主防災組織で委員長を務めています。
■上越市港町の自主防災組織委員長 泉秀夫さん
「テレビであーと思った、津波警報出ると他人事ではない、どのくらいかつい見てしまう。」

元日の能登半島地震の際は発生から約30分後、上越市の沿岸に津波が押し寄せ、床上浸水などの住宅被害が出ました。津波が到達した港町は関川の河口にあり、以前から津波の危険性が指摘されていました。
町内会が住民にアンケートを実施したところ、回答した世帯の約8割が「避難した」と答えました。年に一度の避難訓練の効果があったと分析しています。

■上越市港町の自主防災組織委員長 泉秀夫さん
「時間との勝負、強く揺れたらすぐ逃げる。」

一方で「避難しなかった」という答えで目立ったのが高齢者の世帯です。

■上越市港町の自主防災組織委員長 泉秀夫さん
「避難できない人が増えている。福祉行政など抜本的な対策ないと私たちではどうもできない。」

港町の町内会はアンケート結果を踏まえ上越市に要望書を提出する予定です。

津波の避難を呼びかける情報は、大津波警報・津波警報・津波注意報の3つ。いずれも気象庁が、地震から3分ほどで発表します。津波警報と、さらに危険度の高い大津波警報が出された時は、沿岸部や川沿いにいる人はすぐに高台や避難ビルなど安全な場所に避難しなければいけません。一方、津波注意報は、海の中や近くにいる人が対象ですぐに海岸から離れることが求められます。
どこに逃げるのかを事前に決めておくため津波ハザードマップなどで、避難ビルだけでなく、自宅近くの高い所はどこかなど確認しておくことが必要です。

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