「花咲舞が黙ってない」今田美桜&山本耕史の新コンビに、前作に出演の上川隆也「何の心配も不安もない」

日本テレビ系で4月13日にスタートする連続ドラマ「花咲舞が黙ってない」(土曜午後9:00)の制作発表会見が行われ、主演の今田美桜、共演の山本耕史飯尾和樹(ずん)、要潤菊地凛子上川隆也が登壇した。

「花咲舞が黙ってない」は、銀行を舞台に、不正を絶対に見て見ぬふりできない花咲舞が、弱い立場の人たちのために立ち上がる姿が痛快なエンターテインメント作品。池井戸潤氏の小説「不祥事」を原作に、2014・15年に杏の主演でドラマ化されて大ヒット。前回のドラマ放送後、ドラマと同名の新作小説「花咲舞が黙ってない」も出版された物語を、主人公・花咲舞役に今田、前作では上川が演じた舞のバディとなる上司・相馬健役に山本耕史という新たなキャストで届ける。

舞と相馬が所属する東京第一銀行の臨店班は、問題を抱えた支店に赴いて改善指導を行う部署だが、毎回この2人に仕事の依頼を持ってくる支店統括部次長の芝崎太一役を飯尾。新シリーズで舞と相馬に立ちはだかる壁となる、経営企画部主任調査役(特命担当)・昇仙峡玲子役を菊地。将来の頭取候補とも言われる、昇仙峡に任務を与える経営企画部部長の紀本平八役を要。舞の叔父で「酒肴処・花さき」の店主、舞の小さい頃から近所に住んでいて、いろいろ言い合える関係性の花咲健を上川が務める。

今田は、「演じる舞は、正義感が強く、悪事を黙っていられないそんな奮闘している子なんです。そういう舞に、日々パワーをもらいながら向き合っている日々です。こんなにすてきな皆さまと一緒にドラマを作ることができてとてもうれしいです」とあいさつ。

山本は、「今回は、前作で僕の役を演じられた上川さんがいらっしゃるので、そこもリスペクトをしながら、前作を見直したりしました。前作からは10年たっているので、時代も少し変わっていますし、アプローチも現代とは違う。相馬は、諦めてはいるんだけれども、舞の力強さにどこかワクワクしている部分もあり、彼女の疾走感に触発されているような雰囲気があります。諦めているようで諦めていない、夢を舞に託しているそんな瞬間もあるので、現場でも勇気をもらって毎日撮影を頑張っています」と役柄への解釈を明かす。

飯尾は、「役どころとして中間管理職で、上と下の板挟みになりつつ、下からの元気な人たちに影響を受けてどんどんいい方向に転がっていく感じです。下のパワフルなスピード感のある決断力に影響されて、振り回されながら進んでいく感じが、バラエティーの現場とも同じような役割だと思っています。前作では僕の役をドランクドラゴンの塚っちゃん(塚地武雅)が演じていて、彼と話をした時は『もうお墓を買った』という話しかしていないんですが、次に会った時はもうちょっと(前作での)話を聞いて参考にしたいと思います(笑)。現場では、普段と変わらない振る舞いで、一つ一つの瞬間に刺激を受けながら、わざとらしくならないように頑張っていきたいと思います」と役柄と普段の芸人としての立ち位置が同じであると告白した。

続いて要は、「銀行の利益のためなら何でもやるというストイックなキャラクターです。実はいい人なのかもしれないと思いつつも、第1、2話を演じていると、求めている利益が必ずしもいいものだけではないかもしれないと感じています。まだ先の台本ができていないので、今後の展開はまだ分かりませんが、花咲舞さんとどう対立、もしくは協力していくのか楽しみです」と自身の役に対する複雑な感情と作品への期待を語る。

菊地は、「エリート中のエリートという、女性頭取も夢ではないと言われるキャラクターを演じます。隙のない女性をどう演じるか、日々考えながら取り組んでいますが、歩き方や立ち振る舞い、話し方など、いろんな方と話し合いながら、そして、メークや衣装を通して、何とかこの役になりきっています。どういうふうに花咲舞の前に立ちはだかるのか、その対決も含めて楽しみですし、どうやってちゃんと役を演じられるのか、日々頑張っていこうと思っています」と役作りへのこだわりと挑戦についてコメント。

本作の生みの親で、前作を手掛けた故・加藤正俊プロデューサーについて触れた上川は、「2015年の作品が終わった後も何度となくプライベートでもご一緒させていただいて、そのたびに『またやりたいね』という話が持ち上がっていました。しかし残念ながら22年にこの世を去ってしまったのですが、加藤さんのお名前は、今回シリーズプロデューサーとして名を連ねています。ですので、彼の思いや息吹が今回の『花咲舞』にも息づいていると信じています。その作品にあらためて役柄を変えて参加できること、うれしく思っています。新たな事件に巡り合い、昇仙峡さんに立ちふさがられた舞を癒やしてあげられるような、そんな花さきの店主として、叔父としての役割を全うしたいと思います」と故人への敬意と、役に対する思いを表現した。

撮影がスタートしてから3週間。現場の雰囲気はとてもいいそうで、今田が「『まだ3週間なんだ』というぐらいのチーム感、団結力がもうすごく出来上がっています。スピード感がすごいですよ。ばばばって撮影して、巻いています」と笑顔を見せると、山本が、会見前に撮影していたシーンでも、「普通なら何度か撮り直す台本5ページ分ぐらいのシーンの撮影が1回で終わった」と言い、「勢いがあってみんなが前向きな現場」と、撮影開始からわずかな期間で強固なチームワークが形成されていることを感じさせた。

そんな撮影の空き時間にはけん玉を使ってコミュニケーションをしているそうで、今田は「普通のけん玉じゃなくて、5個並んでいるやつとか10個並んでいるやつに日々挑戦しています」と。すると、山本が今田のけん玉の腕前を賞賛し、「すごいうまいんですよ! 普通に(真ん中の)刺すところあるじゃないですか。そこにもうバンバン、1回も失敗しないで何回も入れていたんで、相当やっていたんだよね」と話し、現場でのリラックスしたムードを説明。自身もけん玉には自信があるそうで、「準1級とか初段とかそのぐらい」と語った。

そんな2人とのシーンが多い飯尾も、撮影のテンポのよさを強調し、「3人で一つみたいな感じでやらせてもらっていまして。本当に撮影のテンポがよくて、生放送じゃないかっていうぐらい。『はいOK!』って声がかかっています」と現場のスムーズな進行を伝え、キャストとスタッフの緊密な連携を示唆。そんな飯尾の演技について今田は、「すごくアドリブも入れてくださったりして、すごく絶妙にクスッとするようなアドリブで、それも見どころの一つなんじゃないかなと思います」と期待を込めてコメント。

飯尾は、「(今田が)全部受け止めてくれるんですよ。おじさんが思いついたことを。カメリハ時にちょこっと挟んで。却下される時もありますけども、受け止めてくれて。2人とも運動神経がいいのか、動きがすごく早いんですよね。テンポがいいというか、舞ちゃんと2人でいて、舞ちゃんがすっと画面から外れる時があるんですが、もうセリフの5分の1ぐらいでも姿がないっていう、このポニーテールだけが画面に残るっていう。話を聞いたらば陸上部だったそうで。だからスタートダッシュがいいんだなって。山本さんはバスケ部だったからか、席から立つときもキマっている。膝からスッと立ち上がる。だから人生無駄なことはないなって分かりました」と、今田と山本の瞬発力の高さについて飯尾流に解説した。

また上川は、「まだ1日しか撮影していない」と前置きしながらも、「今田さんが本当にレスポンスがいいんですよ。何をやっても、リハーサル、テストの段階で試みたことにきちんと呼応してくださるので、それが撮影のテンポをよく進める一因になっていると思います」と述べ、今田の対応力を称賛した。

すると今田は、「花さきのシーンは、銀行のシーンとは全然違って、リラックスしたムードの中で行われるので、テンポもいいんですけど、リラックス感があり、癒やされるような空間です。上川さんの声がもうすごくすてきで、それにも癒やされながら撮影しています」と花さきでの撮影について触れつつ、「花さきで出てくるご飯がすごくおいしくて、お料理のレシピが今後公開されることもあるみたいなので、それも楽しんでもらえるポイント。あまりのおいしさに、撮影した日の夢にも出てきたんですよ!」と、ドラマ内で紹介される料理について言及。加えて上川が、「(前作では)花さきの料理本が出版されるほどだったんです。今回はまた違った形で、ご紹介する機会を何か作っていただけるようです」と料理に関する情報を明かした。

敵役を演じる菊池と要は今回が初共演。要は、「菊地さんとは初めましてなんですが、すごく凛としたイメージっていうか、『芸にはものすごい厳しいぞ!』っていう海外畑のイメージだったんですが、本当にチャーミングで、現場でいろんな話をしてくださって」と述べ、2人が実は同級生であることが撮影中に分かり、「それが現場を和ませる要素になっている」とコメント。菊地は、「要さんは、背も高くて、スケール感みたいなのもあって、正しく敬わなきゃっていう感じがありますね」と敬意を払った。

また、役柄へのアプローチについて山本は、「食べ歩きが趣味という設定があるんですが、食べ歩いている割には体がちゃんと作られてしまっているので、『食べたいから運動している』っていうのを取り込んだ方がいいんじゃないかなって思って、臨店班の机にゴムチューブやダンベルとかを置いて、常にどこかしらを鍛えていたら面白いんじゃないかって提案したんです」と説明。さらに“ゴムチューブ最強説”をアピールし、ゴムチューブを使ったエクササイズがキャラクターづくりに役立っていると、その動作を披露。「本当に鍛えられるのか」といぶかしがる飯尾が、「今田さんやってみてよ」と今田にむちゃぶりすると、実践した今田は、「めっちゃきついです。こんなこと撮影中にやっていたんですね」と驚いた様子で、山本は「これはもう、全身できるのでぜひ皆さんおすすめです」とトレーニングについて熱い姿勢を見せた。

ここで、今田と山本の新コンビに期待していること、上川の新シリーズへの参加を喜んでいることなどがつづられた、原作者の池井戸氏からキャストへ向けた激励の手紙を司会者が代読。

上川は、「前作のドラマを池井戸さんも気に入って愛してくださっておりましたし、こうして思いを寄せてくださることをありがたく思います。期待に応えられるような作品にして、またお戻ししたい」と新作に臨む決意を述べる。山本は、「池井戸さんの作品は、一つの物語の中にいろんなテイストがあるのが特徴だと思っていて、ユーモアのあるふわっとした雰囲気の中で、ストレートにシャープにテーマを描くという共通点ある。楽しいんだけれども、大切なことに向かって2人が動いていく緩急のある作品。とても楽しい部分と、気が引き締まる部分があって、毎日楽しみながら撮影させてもらっています」と作品への深い理解と愛着を示した。

今田は、「花咲舞よ、風になれ」という池井戸氏からの言葉に対して、「すごくすてきなお言葉。舞は軽快でインパクトがあり、いろんな人に囲まれたり敵にもまれながら奮闘していく姿が軽快です。舞が通るところは、突風に巻き込まれたり、そよ風になったりするので、風になれというお言葉は大事にしながら、勢いのある舞を丁寧に演じていきたいです。風を感じながら、吹かせながら、凛として生きている舞が、魅力的に映っているといいなと思います」と役に込められた意味を大切に演じていきたいと力を込めた。

さらに、本作に臨む心境について、「本当に10年前の杏さんと上川さんの作品が大好きで、まだ学生だったと思うんですけど、拝見していました。当時もすごく勇気をもらう作品でしたし、今回やらせていただくにあたって、またあらためて見返したんですが、学生時代に見ていた時とはまた感覚が変わって。働き始めたので、そこでいろいろと突き進んでいくこの舞の姿に、なかなかできることじゃないし、本当にすごいなとあらためて勇気をいただきました。正直プレッシャーがなかったかと言われると『あります』。ですが、大好きな作品でもあるので、リスペクトを込めながら、皆さんと一緒に新しい花咲舞を作っていけたらいいなと思っています」と前作をリスペクトしつつ、新たな作品に前向きに臨む。

山本は、「僕の場合はご本人がいらっしゃるので、良くも悪くも何か分からないことがあったらすぐ聞ける。それでいて、自分が演じた部分をどう思っているんだろうなみたいな興味もあります。(上川は)本当に前からご一緒させていただいているすてきな先輩の俳優さんなので、とても優しく見守ってくれていると僕は感じていますし、まだ一緒のシーンは撮れてないんですけども、今田さんと上川さんが一緒に撮っているシーンを少し見ていたのですが、空気感がすごいよくて。ぱっと見ただけで出来上がっていたので、それは前作を経験しているからというのもあるのかなと。もちろんなくてもできるすごい俳優さんなんですが。見ていて安心感しかなかったので、僕はとてもいらっしゃることが助かるし、プレッシャーじゃなくなる感じですね」と、上川の存在が助けとなっていることを言葉にした。

そんな新コンビとなる2人に関して上川は、「まだ拝見はしていないんですが、2人のたたずまいは、新たな『花咲舞』にふさわしいものになっていると、もうこの時点で思いますし、お二人に決まりましたとお話を伺った時から、僕は何の心配も不安も抱かずにおります」と太鼓判。一方で「僕自身もプレッシャーがないわけではない」と言い、「(前作で)大好きな大杉漣さんが務めていらっしゃっていた、花さきの店主ですから。実は当初、お父さん役としてのオファーというか、提案もあったんですね。でも僕はそれはやはり、大杉さんがなさっていた役ですし、大事にしたいと思ったので、もう一度考えましょうということで、叔父役に収まったという経緯が実はあるんです。だからこそ、この花さきの店主という役柄を、僕も一から作り上げなければいけませんし、楽しみながら、新しい『花咲舞が黙ってない』の一端を担っていきたいと思っています」と過去の作品とのつながりを大切にしつつ、新たな役柄へと挑む決意を述べた。

池井戸作品では敵役も物語のポイントなるが、菊地は、要と共に敵役を演じることについての安心感を強調。「要さんと並んで一緒に歩くだけで、本当に安心感しかないんです。彼の持つ重厚感や、芯の通った太い幹のような印象があるので、心から安心しています。カメラの前では緊張感はありますが、どんどん進んでいく中で、きちんと心を持って立たなければと日々感じています」と信頼を寄せる。

要は、「ドラマの中で敵として立ちはだかる時は存在感がありますが、最終的にはどのように滅びていくかが印象に残ります。まだ序盤ですが、紀本と昇仙峡が花咲とどう対峙(たいじ)し、悪事が暴かれた時にどのように非を認めるか、どのような本性が出るか、それを考えながら演じています。菊地さんとの共演では、彼女のミステリアスな演技が何を考えているか分からないほどで、『かしこまりました』としか言わないので、実は敵なのでは?と思ったりしています」と敵役を演じることへの核心に触れつつ、菊池から受ける印象を語った。

会見の最後に今田は、「4月に入って、新年度、新しい生活。新しい気持ちをスタートさせた方もすごく多いんじゃないかなと思うんですけれども、そんな春にぴったりな、爽快感あふれるドラマになっております。本当にこんなに心強い皆さまと一緒に日々楽しく撮影しています。私も10年前のドラマを見ていて、とても勇気をいただいて、また明日から頑張ろういう気持ちにさせていただいていました。今回10年たって、皆さんの生活だったり、働き方だったり、いろいろ変わってきた今だからこそお届けできる『花咲舞が黙ってない』じゃないかなと思います。奮闘する舞をどうか最後まで見守っていただけたら、とてもうれしいです」と視聴者に向け、熱意をもって呼び掛けた。

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