【交通事故を乗り越え…】会津若松市で手作りにこだわった弁当店を開く29歳女性の思い・福島

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2023年11月に会津若松市にオープンした弁当店は、29歳の女性が切り盛りしています。

女性が店をはじめたのには、あるつらい体験がありました。

2023年11月に誕生した会津若松市の弁当店「キングズベリー」。

店の評判は口コミで広がり、連日多くの人が訪れています。

■訪れた人は

「1日の栄養補給という意味でも、なかなか朝自分で忙しくてお弁当作っている暇がなかったりするので」

■訪れた人は

「メインのおかずもおいしいんですけど、その周りの総菜の方がまた美味しくて、バランス取れているので」

冷めても美味しいからあげやハンバーグ、そして日替わりの総菜がこの店の魅力。

これだけ入って600円ほどと、お財布にやさしいのも人気の理由の1つです。

こだわりの弁当をつくるのは、高橋ミルカさん(29)。

料理上手な母・俊子さんと父・信幸さんとで店を切り盛りしています。店をはじめたのには、高橋さんを襲ったある出来事がきっかけでした。

■キングズベリー 高橋ミルカさん

「首が全く動かなくなってしまって、体も本当にむち打ちで痛くて痛くて夜も寝られない、寝れないだけじゃなくて、痛すぎて食事も通らないっていう事故だったんですけど」

高橋さんは2年前、車で帰宅途中、追突事故に見舞われました。

幸い軽傷だったものの、痛みで体が動かせなくなり、心身ともに疲弊していきます。

■キングズベリー 高橋ミルカさん

「辛いな辛いなって思った時に、母からその手作りの冷凍したものがこう送られてきて、それがすっごく美味しかったんです。涙が出るほど美味しくて美味しくて、食べられなかったのに食べられて心がほっこりして」

高橋さんを癒してくれたのは、母の手料理でした。

「母のように、手料理で多くの人の健康の支えになりたい」

高橋さんは事故を乗り越え、手作りにこだわった弁当店を開くことを決意しました。

■キングズベリー 高橋ミルカさん

「本当に得意じゃないんです。得意じゃないですよ。本当に」

高橋さんは、調理の仕事は初めてですが、母・俊子さんにいちから教わり、奮闘の日々です。

冷めてもおいしいように調理方法を研究したほか、栄養バランスや彩り、ネーミングもこだわっています。

大好きな韓国料理のキンパ巻をたっぷり食べられるよう丼物にするなど自分が食べたいと思う料理をつくるようにしました。

さらに、捨ててしまいがちな野菜の皮なども無駄なく使って野菜の出汁をとるなど、豊富な栄養やおいしさの追及に手間を惜しみません。

そんな娘の努力を一番近くで見てきたのが、両親です。

■父 高橋 信幸さん(65)

「自分で何かやるということはとても大事、大変なことですけれども、私は嬉しかったです」

店の名前は、再起不能といわれたけがを乗り越え、オリンピックで金メダルを獲った男子モーグルのミカエル・キングズベリー選手にちなんでいます。

辛い交通事故を乗り越え、新たな目標へ歩む高橋さん自身をその名前に重ね、愛情たっぷりの弁当を届けていきます。

■キングズベリー 高橋ミルカさん

「おいしいと言っていただけることが、本当に私たちのやりがいであり、生きがいなのかなって思います。母が私たち子供たちにしてくれたように、私もその手作りで 皆さんのことを健康にしたい」

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