ユーロ圏3月CPI、横ばい予想に反して鈍化 利下げ観測を後押し

Balazs Koranyi

[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が3日発表した3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、ロイター調査の横ばい予想に反して前月の2.6%から鈍化した。

食品、エネルギー、工業製品の価格上昇がいずれも鈍り、欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始を後押しする結果となった。

ECBが注目するコアインフレ率は前月の3.1%から2.9%に低下。予想の3.0%を下回った。

一方、サービス価格の上昇率は4.0%と横ばいが続き、特に賃金に起因する物価上昇圧力が根強いことが示され、ECBにとって唯一の懸念材料になるとみられる。

投資家は4月11日のECB理事会で利下げが決まる可能性はほぼないとみているが、6月の利下げ、今年後半にさらに2、3回の利下げは完全に織り込み済みだ。

ECBは来年にインフレ率が目標の2%に戻ると予想している。

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