柳商連の新理事長に水野琢朗氏 10年ぶりの交代 柳ケ瀬商店街の舵取り担う若き理事長の展望は

「柳ケ瀬を変えていく」と話す水野琢朗新理事長=3日午後、岐阜市日ノ出町、ロイヤル劇場ビル

  岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の理事会が1日に開かれ、水野琢朗さんが理事長に選出されました。理事長の交代は10年ぶりで、水野さんは3日、岐阜市で会見を開き、意気込みを語りました。

  水野理事長は35歳。岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の副理事長を昨年度から務めていました。

  会見で水野理事長は、まちなか居住の推進や広報機能の強化などを盛り込んだ将来ビジョンを明らかにした上で「柳ケ瀬をもう一度、日本一のまちにしたい」と意気込みました。

  岐阜放送の単独取材に応じた水野理事長は、岐阜髙島屋の撤退と柳ケ瀬商店街の今後の展望について語りました。

<活性化のヒントは「いかにまちなかに住む人を増やしていくか」>

  岐阜髙島屋はことし7月末をもって営業を終了。水野理事長は、柳ケ瀬地域を支えた髙島屋の撤退は時代の流れもあり仕方ないとする一方、「商店街としても、なくなってしまうからそれでいいのかというと、そういうわけではない」と話します。

  水野理事長が考える「柳ケ瀬商店街づくり」。その答えの一つに「香川県高松市の商店街の例」がありました。

  連合会などは去年12月、香川県の高松丸亀町商店街の振興組合理事長による勉強会を開催。高松丸亀町商店街では「いかにまちなかに住む人を増やしていくのか」という方針を軸に、商店街の活性化に動きました。

※岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会 水野琢朗理事長
  「商店街の活性化が叫ばれるようになったのは、郊外のショッピングセンターが増えたのもありますが、実は中心部に暮らしている人が減っているがゆえに、それに紐づく店がなくなっていってしまったという例があります。高松丸亀町商店街が第一に行ったのが『まちなか居住者を増やすということ』。これは今、柳ケ瀬が知らず知らず動いていた方向性とかなりリンクしている」

  柳ケ瀬商店街周辺では実際、新築マンションが建ち、岐阜市金町の金公園も芝生化され、子どもたちが遊ぶ姿も見受けられるようになりました。

  水野理事長は「物を売ることが中心だった商店街。今後は住まいと暮らしが併用され、過ごしていて楽しいまちづくりといったようなものも、一つの路線なのではないか」と話します。

<今が柳ケ瀬を変えられる最後のチャンス>

  35歳という全国の商店街連合会でみても、若くして商店街の舵取りを任命された意味を水野理事長は次のように語ります。

※岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会 水野琢朗理事長
  「もう柳ケ瀬大好きだった世代の方々がいなくなってしまいますので、今が柳ケ瀬を変えられる最後のチャンスだと思っています。このタイミングで動くからこそ意味があると思っています」

  老朽化したアーケードの維持や髙島屋撤退後の客足の確保など課題は山積する中で、今後の商店街の展望について水野理事長は。

※岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会 水野琢朗理事長
  「私は全力で柳ケ瀬変えていきます。市民の方にもぜひ、柳ケ瀬が変わっていく様子を見に来てほしいです。商店街はみんなのもの。決して商店街の人間だけのものだけではないと思います。今後柳ケ瀬は、地域の人のプライドになるようなエリアになると思います」

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