静岡県の川勝知事の辞職は先延ばしとなったリニア中央新幹線の開業に影響はあるのでしょうか?。阿部知事や飯田市長は期待感を示すとともに、開業に向けた努力を改めて静岡県に求めました。
東京・品川と名古屋をわずか40分で結ぶ「夢の超特急」。2027年の開業を目指してきましたが、JR東海は先週、断念することを発表。
静岡県が着工を認めないことが理由ですが、そのトップが、「電撃辞職」を表明しました。
■静岡県・川勝知事
「言葉が不十分であったということかもしれません。準備もありますから6月の議会をもってこの職を辞そうと思っております。以上です」
1日、新人職員に向けた訓示で職業差別ともとられる発言をしたことを受けてです。
一夜明け、阿部知事は。
■阿部知事
「川勝知事が退任するとなると静岡県としての取り組みのあり方・方向性が変わってくる可能性がある。(リニア中央新幹線は)静岡県だけの問題ではない。ぜひ他地域の思いも受け止めてもらった上で静岡県として前進させるように最大限努力してほしい」
沿線にあたる、飯田市の佐藤健市長は…
■飯田市・佐藤健市長
「リニア開業に向けての最大の不安定要素がなくなる。一つクリアされる可能性が出てきた。静岡県・JR東海双方に着工に向けた手続きをスピーディーに進めてもらいたい」
ただ、静岡工区の工期は概ね10年と想定されていて、仮にすぐ着工できたとしても開業は2034年以降の見込みです。リニアの飯田駅周辺は、2027年の開業を前提に、市が駅前広場などの整備を進めてきました。
■飯田商工会議所・原勉 会頭
「2027年開業と約束してここまで協力してくれた人がたくさんいるので、素直に謝罪すべき。(辞職によって)2034年開業というのがより具体的になると経済としては大きな動きになると思う」
川勝知事の辞職表明に対し、住民は。
■飯田市民(高校生)
「めっちゃうれしいです。これから先東京に行くなどしたいので、リニアが進んでくれたらうれしい」
■高森町民
「これで進むのかなという期待はしています。リニアができてくれるのはとてもありがたいんですけど、環境の面で心配な気持ちはあるので複雑」
そして、先ほど会見を開いた川勝知事。訓示での発言について撤回はしないものの、「傷ついた人がいたことについては申し訳なかった」と謝罪しました。