「川勝ショック」に揺れる静岡県内 差別的な発言に「裏切られた」農業関係者、県議、政令市長、県民の反応は

川勝知事の辞職表明から一夜明け、4月3日の静岡県庁周辺は、慌ただしい一日となりました。突然の発表に、県民や自治体などには大きな衝撃が広がりました。すべては、この発言から始まりました。

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<静岡県 川勝平太知事>
「県庁というのはですね、別の言葉で言うとシンクタンク(政策研究機関)です。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとかということと違ってですね、基本的にそのみなさま方は、頭脳、知性の高い方たちです」

4月1日、新入職員への訓示で川勝知事が述べた一言が職業差別とも受け取れるとして、県に批判が殺到したのです。

そして、4月2日夜。

<静岡県 川勝平太知事>
「6月議会をもって、この職を辞そうと思います」

報道陣による取材の場で突如、辞職表明をしました。

<記者>
「説明すべきなんじゃないですか。おかしいですよ」

真意は分からないまま、取材は終わりました。川勝知事は、自身の発言について「不愉快な思いをした人がいたら誠に申し訳なく思う」と謝罪した上で、6月の県議会をもって辞職する意向を示しました。

<JA静岡中央会 鈴木政成代表理事会長>
「まさかそんなこと言うの?って感じです。驚きました」

農業に関わる人からは、怒りの声が上がっています。

<藤田製茶 藤田匠さん>
「心の底でやっぱり本音で思っているからこそ、ぱっと出てきてしまう様な事だと思いますので、あれは非常に残念で悲しい発言だったなと感じております」

大井川流域でレタスを栽培する男性。リニア問題での川勝知事の姿勢を評価していただけに落胆も大きいといいます。

<レタス農家 池ヶ谷明生さん>
「川勝さんなら農業の面も、水の面も信頼していけば間違えないかなと思っていたわけです。あの発言を聞くと筋違いな気がします。」
Q.筋違いというのは裏切られたという意味?
「はい、そうです」

4月3日、県庁に姿を表した知事。

<坂口将也記者>
「午後2時です。辞意表明の説明をするため、知事本人が県議会の各会派を回っています」

知事と対立してきた自民会派ではさっそく、今後の対応について協議しました。

<自民改革会議 増田享大代表>
「(差別的発言の)対応を協議しようと思っていた矢先でしたので、非常に驚いています。(知事選の候補者擁立は)去年から準備のための会合は進めてきたので、まずは加速化するということ」

<公明党県議団 蓮池章平団長>
「辞める意を固めたのであれば、知事選も早めにできるのであれば早くやった方がいいと思っています」

一方、知事に近い会派はー

<ふじのくに県民クラブ 田口章会長>
「川勝県政で15年間やってきたことというのは決して間違っていなかったと思っている。ふさわしい後継者がいるとしたら、会派としても積極的に関わっていきたい」

県トップの衝撃発言に政令市の市長はー

<静岡市 難波喬司市長>
「本当にどうされたかなっていう、ああいう発言をされる方ではないと思っていた。本当に驚いている」

<浜松市 中野祐介市長>
「悪い方でのこの静岡県の顔みたいな部分も残念ながらあったのかなという気はしております」

2009年の初当選以来、川勝知事を支えてきた経済界の重鎮、スズキの鈴木修相談役は「事前相談はなかった。本人の意思を尊重してほしい」と語りました。

静岡県民はー

<吉田町民>
「もっと早い段階で、しっかりけじめをつけるべきだったのではと思う」

<静岡市民>
「言い方に気を付けてくだされば良かったと思う」

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