目立ち始めた”メディア批判” 静岡・川勝知事の辞職表明 タイミングの背景は…専門家に聞く

<滝澤悠希アナウンサー>
静岡の政治を20年以上研究している、法政大学大学院の白鳥浩教授に聞きます。川勝知事は、会見で、「不適切な言葉で人を傷つけてしまったこと」などを辞職理由としていましたが、不適切発言の指摘は過去に何度もありました。なぜ、このタイミングでの辞職なんでしょうか。

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<法政大学大学院 白鳥浩教授>
一つは、やはり2027年のリニア断念というJR東海のアナウンスがあったというのが大きな背景で、そういう間接的な状況と、直接的には、このところ舌禍が続いていた。最終的には職業蔑視と取られるような発言につながった。おそらく気持ちがそこで切れてしまったんだと思うんですよね。

<滝澤悠希アナウンサー>
県政キャップの坪内記者にも聞きます。臨時会見やこの2日間の取材で知事はどんな印象ですか。

<坪内明美記者>
きのうの囲み取材では、感情が高ぶっているような話し方をされていましたが、一夜明けて、きょうの会見では開き直った、ちょっと吹っ切れたような印象を受けました。また会見中は実績について問われると、時折涙ぐむような姿も見受けられました。

<滝澤悠希アナウンサー>
一夜で感情の変化もあったのかもしれません。さらに最近知事は、メディア批判も強めていましたよね。

<水野涼子アナウンサー>
こちらは、きのうのやり取りとなります。県の広聴広報課に対して「農業畜産に携わる人の知性が低いということですが、おごった考えですね」というコメントが多数届きました。それに対して川勝知事は「それは読売新聞の記事の報道のせいだと思っています」と答えました。

もう一つあります。「あくまで、きのう知事が言われた発言をそのまま切り取ることなくお伝えした上で、県民はそのように捉えている」という質問に対して「切り取られたんだと思いますね」と答えました。

<滝澤悠希アナウンサー>
私も知事の訓示の全文を見ましたが「キリトリ」や「印象操作」とは思えませんでした。白鳥教授はどうお感じですか。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
切り取りということで一つは責任を回避したい。もう一つは、やはり自分の意図とは違うように報道されている。そういうことを言いたいんだと思うんですね。

<滝澤悠希アナウンサー>
責任の所在を別のところに持っていきたいという狙いもあるのかもしれません。

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