【インドネシア】プラボウォ氏と岸田首相会談、協力強化確認[政治]

訪日中のプラボウォ氏(左)は、首相官邸で岸田首相と会談した=3日(日本の内閣広報室提供)

インドネシア次期大統領のプラボウォ・スビアント国防相は3日、訪問中の日本で岸田文雄首相と会談した。2国間関係や地域情勢について意見交換し、協力関係を強化していくことを確認した。プラボウォ氏の大統領選当選後の外遊先としては、日本が中国に続いて2カ国目となった。

プラボウォ氏と岸田氏の会談は、午前9時15分から約35分間実施された。岸田氏は、プラボウォ氏に当選の祝意を改めて示し「早々の訪日は日本重視の姿勢と受け止め、大変心強い」と述べた。また「基本的な価値や原則を共有する『包括的・戦略的パートナー』として、2国間関係や地域・国際情勢に係る協力をさらに進めていきたい」とした。

岸田氏は、2国間関係において、インフラやエネルギー分野で協力するほか、インドネシアが目指している経済協力開発機構(OECD)への加盟に向けて支援することも伝えた。

プラボウォ氏は「インドネシアと日本は旧友であり、重要なパートナーだ。これまでの良好な関係をさまざまな分野でさらに強化したい」と述べた。安全保障協力をはじめ、農水産業や防災などの分野で、2国間関係を深めることに期待を示した。

地域情勢を巡っては、東シナ海や南シナ海情勢、北朝鮮への対応、ミャンマー情勢などでも意見交換し、連携を継続していくことを確認した。

プラボウォ氏は、2月に実施された大統領選の正式結果が3月20日に発表され初当選した。当選後初の外遊で同月31日~4月2日に中国を訪問し、習近平国家主席や李強首相と会談した。

プラボウォ氏は、憲法上3選が認められておらず2期・10年で退任するジョコ・ウィドド大統領の後任として、10月20日に就任する。

■木原防衛相とも会談

プラボウォ氏は3日、木原稔防衛相とも会談した。両者は、防衛省で午前10時28分から約50分間会談し、2国間・多国間の防衛協力や交流を強化していくことで一致した。木原氏は、南シナ海での力による一方的な現状変更や緊張を高める行為に強く反対すると表明した。中国の海洋進出を念頭に置いた発言とみられる。

また木原氏は、海洋国家の両国間において「法の支配に基づく『自由で開かれたインド太平洋』を維持・強化していきたい」と述べた。

© 株式会社NNA