【シンガポール】ゲーム開発ウィンキング、台湾企業を買収[IT]

ゲーム開発などを手がけるシンガポールのウィンキング・スタジオズは、台湾のオンポイント・クリエーティブを買収した(ウィンキングのホームページより

ゲーム開発などを手がけるシンガポールのウィンキング・スタジオズは、台湾のゲーム・アニメーション制作会社オンポイント・クリエーティブ(創點数位概念)を買収した。日本を含む大手ゲーム会社からのアウトソーシング受注を拡大するのが狙い。今後はさらなる買収などを通じ、顧客基盤を強化していく方針だ。

オンポイントの親会社である台湾のゲーム・アウアズ(唯数娯樂科技)から全株式を5,990万台湾元(約2億8,000万円)で取得し、完全子会社にした。

オンポイントは2018年設立。アニメーション制作や3Dを扱えるゲームエンジンの提供、ゲームのキャラクターデザインなどを手がける。カプコンや米2Kゲームズなど世界的な大手ゲーム会社と提携し、多くの人気ゲームの開発に携わった実績を持つ。

ウィンキングは03年設立のシンガポール取引所(SGX)上場企業。2Dグラフィックや3Dモデリング(造形)、ゲーム用アニメなどのアウトソーシング受注に強みを持つ。これまで世界トップ25のゲームパブリッシャー(ゲームの販売・出版会社)のうち、21社に対してグラフィック制作やゲーム開発サービスを提供してきた。

ウィンキングのジョニー・ジャン会長兼最高経営責任者(CEO)は、「今回の買収を機にアウトソーシング事業を強化し、海外のゲーム市場で存在感を高めたい」と意気込みを語った。

ウィンキングの23年12月期決算は、売上高が前期比20%増の2,930万Sドル(約32億9,000万円)、純利益が72%増の180万Sドルと2桁の増収増益だった。アウトソーシング事業とゲーム開発サービス事業が業績をけん引。全売上高に占める米国顧客の割合が前期の10%から17%に拡大したのが目立った。韓国からの受注も増えた。

2日に発表した声明では、顧客基盤の強化に向けてさらなる企業買収、業務提携、合弁事業を検討していくと説明。新たな資金調達に向けて二重上場なども視野に入れていると明らかにした。

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