「親しい友人が心配」 台湾東部地震 氷見市、現地気遣う

台湾・高雄市立歴史博物館から寄せられた、氷見市の復興を願うメッセージ=氷見市役所

  ●能登半島地震で絆強く 関係者の安否確認

 「親しい友人が心配」。3日に甚大な被害が出た台湾東部地震で、台湾と交流を続け、能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市関係者が現地の状況を心配している。元日の地震で台湾から励ましや応援を受けて一層強くなった絆。地震で怖さを味わっただけに、人ごとと思えず、現地を気遣っている。

 氷見市は地震後すぐに交流を続ける高雄市や友好交流都市の同市鼓山区、博物館同士で友好協定を結ぶ同市立歴史博物館、昨年に学生を受け入れた国立中山大西湾学院にそれぞれ連絡し、いずれも関係者の無事を確認した。

 震度4の高雄市は台湾南西部に位置し、最大震度6強の東部・花蓮(かれん)から直線距離で約250キロ。台北出身で氷見市観光交流課訪日観光コーディネーターの林奕伶(リンイーリン)さん(35)がLINEで現地関係者と連絡を取り合った。

  ●「早期復興祈る」林市長、お見舞い

 氷見市には能登半島地震後に、高雄市の陳其邁(チンキマイ)市長、同市鼓山区の鄭(テイ)明興区長からお見舞いのメッセージが届いた。林正之市長は一両日中にお見舞いのメッセージを送る予定で「私どもは大変心配している。被災地域の早期復興を心よりお祈り申し上げます」とコメントした。

 高雄市立歴史博物館からは氷見市の復興を願うメッセージが寄せられており、台湾語や日本語で「願平安 がんばろう!氷見」、「日本加油(頑張れ)」「北陸地区復興祈願」などと書かれたメッセージを氷見市役所や氷見市立博物館に展示したばかり。

 氷見市商工観光課の担当者は「親しい友人が大変な思いをしているのでこれ以上被害が拡大しないことを祈る。能登半島地震では大変な励ましや応援をいただいたので、何かあればお返ししたい」と気遣った。

  ●漫画家ア・レイさん無事

 昨秋に氷見市に滞在し、能登半島地震を題材に被災地にエールを送る漫画をネット上に投稿している台湾の人気ウェブ漫画家「A RAY(ア・レイ)」さんも震度5弱を観測した台北市のマンション13階の自宅で地震に遭ったが、無事だったという。

 台湾中部の南投県集集鎮で最大震度7を観測し、建物の倒壊などで死者2400人以上の被害が出た1999年9月の「台湾中部大地震」以来の大きな揺れだったというア・レイさんは「体感的にはそれ以来のすごさだった」とのメッセージを林さんに寄せた。

© 株式会社北國新聞社