「チームを助けるために役立った」「ほとんど何もできず」鎌田大地、途中出場のコッパ・イタリア準決勝では現地メディアから様々な評価が

現地時間4月2日、コッパ・イタリア準決勝のファーストレグで、ラツィオはユベントスに先勝(0-2)を許したが、鎌田大地は後半途中に交代出場でピッチに登場している。

同カードだった3日前のセリエA第30節(1-0の勝利)でイゴール・トゥドール監督の初陣に先発出場を果たし、多くの現地メディアから及第点以上の評価を得た鎌田。スポーツ紙『Corriere dello Sport』紙から「別人の鎌田だ」と評されたように、マウリツィオ・サッリ前監督時代にはほとんどプレー機会を得られず、今夏で放出は必至とされていた彼のチームにおける立ち位置が、監督人事によって劇的に変化したと見る向きもあった。

しかし2戦連続となったユベントスとのゲームにクロアチア人監督は、鎌田ではなく、前指揮官が重用したルイス・アルベルトをスタメンで起用。試合は後半に動き、ホームのユベントスが50分にフェデリコ・キエーザ、64分にドゥシャン・ヴラホビッチのゴールで2点のリードを奪うと、鎌田は72分にL・アルベルトとの交代で出場し、中盤のポジションを担った。
この交代について、セリエAの公式サイトは「ユベントスがリードを広げたことにラツィオは焦りを見せ、トゥドール監督はすぐに対策を講じて、L・アルベルトとチーロ・インモービレを下げ、鎌田とタティ・カステジャノスに頼ったが、彼らも相手GKマッティア・ペリンに脅威を与えることはできなかった」と伝えている。

現地メディアの評価を見ると、サッカー専門サイト『TUTTO mercato WEB』は10点満点の採点で及第点に満たない「5.5」を鎌田に与え、「ほとんど何もできないまま20分あまりを過ごした」と厳しい記述。同採点の『calciomercato』も「インパクトなし」、『VIRGILIO SPORT』はやはり「5.5」で、寸評での言及もなかった。 スポーツ専門放送局『EUROSPORT』も「今まで通りののんびりとしたプレーで、自信が感じられなかった。技術は高いが、内容に欠けた」とネガティブに鎌田のプレーを総括し、こちらも採点は「5.5」、採点だけの『Sky Sports』では「5」止まりに終わっている。

一方、スポーツ紙『Corriere dello Sport』は「6」の及第点を付与し、寸評も「新しいスタイルでプレーし、より活気を感じさせた」とポジティブな内容となり、日刊紙『LEGGO』も同採点で、「複雑な終盤戦で、幾つかの良いチャンスを創り出した」と、そのプレーが効果的だったことを強調した。
『Il Giornale』紙は、「ラツィオは具体性と正確さを必要としているが、鎌田がピッチに登場すると、数分のうちに彼は攻撃の中心を高く保ち、チームを助けるために役立った。しかしゴール前では、あまり反応がなかった」と、良い点と悪い点の両方を挙げ、採点はこちらも「6」を付与している。

そして、ラツィオのクラブ専門サイト『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』の採点は「5」と厳しく、「試合の流れに適応。苦しい状況に陥っていたラツィオの中で、流れに合わせてプレーした」と、やや皮肉を込めた寸評となった。

構成●THE DIGEST編集部

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