久保建英のパリ五輪出場が厳しく Rソシエダード幹部が慎重姿勢示唆

久保建英(ロイター)

スペイン1部レアル・ソシエダードに所属する日本代表MF久保建英(22)のパリ五輪の出場が、厳しくなりつつある。

U―23日本代表がパリ五輪アジア最終予選を兼ねた「U―23アジアカップ」(15日開幕、カタール)で出場権を獲得した場合、日本サッカー協会はパリ五輪世代である久保の本戦出場許可を得るため、Rソシエダードとの交渉に入る。五輪はクラブ側に選手派遣の義務がないためだ。かねて古巣のレアル・マドリードなどに移籍すれば、五輪参加は難しい見通しとなっていた一方、Rソシエダードは理解を示すとみられていたが、雲行きが怪しくなってきた。

スペインメディア「エル・ゴルデジタル」は、Rソシエダードのスポーツディレクター、ロベルト・オラベ氏が朝日新聞のインタビューで、久保のパリ五輪参戦に慎重な姿勢を示したことを受けて、こう指摘した。

「Rソシエダードと久保は岐路に立たされている。母国を代表したい気持ちと、燃え尽き症候群やケガのリスクをてんびんにかけなければならない。クラブが、最も貴重な資産である選手の健康を、しっかり管理できるかが試されている」

また、Rソシエダードから、スペイン代表MFマルティン・スビメンディ、同MFミケル・メリーノら主力が、今夏に移籍する可能性が現地で報じられている。久保が残留すれば、より重要な選手になるのは間違いなく、プレシーズンの大事な時期に開催されるパリ五輪参戦は、クラブ側からしたら望ましくない。そんな状況も、久保の出場を厳しくする要素となりそうだ。

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