女性の中間管理職の給与は男性よりも低い状況に。一般社員と比較すると?
春は昇進・異動の季節です。厚生労働省の調査によると、女性係長の平均給与は33万5900円となりました。
女性の平均賃金は男性より少ないのが現状ですが、中間管理職についてはどうなのか気になる人もいるでしょう。
本記事では、女性の中間管理職の平均的な年収について解説します。
記事後半では一般社員との給与差についても紹介しますので、女性がキャリアプランを考えるときの参考にしてください。
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男女別の中間管理職の平均給与
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると係長の平均給与は37万800円ですが、男女別にみると次の通りです。
- 男性係長:38万2300円
- 女性係長:33万5900円
女性係長の平均給与は、男性と比較して4万6400円も低いのが現状です。
部長や課長についても、次の通り男女差があります。
役職が高くなるほど男女間の給与差が大きくなり、部長職では8万円以上の差が出ています。
また、厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、女性管理職の割合は次の通りです。()内は前年度の割合です。
- 部長:8.0%(7.8%)
- 課長:11.6%(10.7%)
- 係長:18.7%(18.8%)
女性の中間管理職の割合は、20%にも満たないのが現状です。
正社員に占める女性の割合は26.9%と少ないことや、総合職で採用される割合は女性の方が10%ほど低いことなどが原因の1つです。
一般社員との給与差
女性の中間管理職の給与は男性よりも低い状況ですが、一般社員と比較すると次の通りです。
女性係長と一般社員との給与差は7万5600円です。
課長、部長と昇格すると、平均給与は約10万円ずつ上がります。
収入以外の中間管理職になるメリット
管理職になると年収アップが期待できる反面、「責任が重くなる」「仕事と家庭の両立が大変」「女性の一般社員と壁ができる」などのデメリットも想定されます。
そのため、管理職を目指す女性は多くはありません。
しかし、管理職になることは収入以外にもさまざまなメリットがあります。
主なメリットは次の通りです。
- 仕事に対するやりがいや達成感が得られる
- マネジメント力が身につきキャリア形成に役立つ
- 管理職としての経験やスキルが転職時に役立つ
国による女性の活躍推進
男女間の賃金格差や女性の管理職が少ないなどの現状より、2019年5月29日は女性活躍推進法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)を改正し、次の施策などにより社会での女性の活躍を推進しています。
- 企業に一般事業主行動計画の策定・届出・情報公表を義務付け(※)
- 企業に女性活躍に関する情報の公表を義務付け(※)
- 「えるぼし」「プラチナえるぼし」の認定制度(女性活躍推進に関する状況が優良な事業主を認定し公表する制度)
※2022年4月1日以降は「常時雇用する労働者が101人以上」の企業が対象。
まとめにかえて
女性係長の平均給与は33万円5900円で一般社員より7万5600円高いですが、男性と比較すると4万6400円も低いのが現状です。
男女間の賃金格差は役職が高くなるほど拡大します。
女性が中間管理職になると「仕事と家庭の両立が大変」などのデメリットがありますが、収入がアップする以外に仕事の達成感が得られたりキャリア形成ができたりするなどのメリットもあります。
メリットやデメリットを考慮して、自身のキャリアプランを考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
- 厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」
- 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」