大林組/ベルト切断不要でコンベヤーを延伸できる機械開発、設置日数を短縮

大林組ら3社は、トンネル工事などに使うベルトコンベヤーの延伸で、ベルト切断が不要な「ノンカットドライブ」を開発した。ベルトを切断し巻き付ける作業が必要な従来のブースタードライブと比べ、設置日数が11日間から4日間に短縮。1基当たり7日間と約6割の工期短縮が見込める。従来はベルトを接合する作業で特殊技能が必要だったが、その技能を持つ人員の手配も不要になる。
大口径トンネル向けのノンカットドライブは大林組、日建リース工業、日本コンベヤの3社で共同開発した。一対のタンデムプーリー(ベルトに駆動動力を伝達する2本のローラー)を片持ち構造の状態でベルトを挟むようにスライドさせて設置。プーリーの支持台座ごと回転させてベルトを巻き付ける仕組み。
従来型のブースタードライブをノンカットドライブに改造する場合に生じる追加改造費に対し、圧縮できる労務費や設備費用の方が大きくなる。従来型と比べて1基当たり約3割のコスト縮減効果も見込める。
3社は今後、中小口径トンネルに適用するものを開発する。工期短縮や生産性向上、コスト削減につながる技術を提供し、建設労働者の人手不足や働き方改革の実現に貢献する。
トンネル工事では土砂の搬出にベルトコンベヤーが使われており、トンネルの進行に合わせてベルトコンベヤーを延伸する必要がある。従来、ブースタードライブの設置作業はベルトを切断し端部を駆動部に通した後、切断したベルト同士を接合するため、土砂搬送作業の中断期間が長期化する課題があった。

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