東京都/週休2日適用を建築工事にも拡大、法令順守や働き方改革後押し

建設業への時間外労働の罰則付き上限規制適用を受け、工事発注する東京都の部署は2024年度、週休2日の対象を建築工事に広げた。財務局では、発注する全ての営繕工事で適用。建設局や港湾局も従来の土木工事に加え、建築工事にも採用する。都は法令順守を促すだけでなく、担い手確保につながる働きやすい環境創出を後押しする。
都は知事部局による予定価格3億5000万円以上の建築工事の発注や契約業務を財務局が担当している。同局は1日に「週休2日促進工事」と「週休2日交替制工事」をスタートした。
週休2日促進工事は、財務局建築保全部の発注する全ての営繕工事が対象。土・日曜日のほか都の条例で定める休日に現場閉所することで週休2日を確保する。
週休2日交替制工事は、工事内容や施設の実情などが週休2日促進工事になじまない案件が対象となる。加えて、3月31日以前に契約した工事のうち、「週休2日モデル工事」と「受注者希望型週休2日モデル工事」以外の営繕工事で、受注者が「週休2日交替制工事」を希望した工事にも適用する。工事完了日までの間に技術者や技能労働者が交代で休み、4週8休以上の休日確保を求める。
建設局はこれまで土木工事を対象に取り組んでいた「週休2日制確保工事」を4月から建築工事にも拡大した。新たに「週休2日制確保工事(建築工事)」の実施要領を策定。一方で従来の「週休2日制確保工事」実施要領を改定し「週休2日制確保工事(土木工事)」実施要領とした。
休日率が4週8休以上を達成した場合の工事成績加点評価は、「週休2日が一般的になってきた」(建設局担当者)として廃止した。
同局が発注する全ての建築工事と建築設備工事に週休2日促進工事を適用。同工事がなじまない案件は週休2日交替制工事を採用し、財務局の取り組みと歩調を合わせた形だ。
港湾局は事業者に週休2日や4週8休の確保を促す「休日確保評価型試行工事」の対象に、4月から建築工事と土木設備工事を加えた。従来は土木工事だけだった。
23年度から原則全ての工事が4週8休以上を取得することを前提に工事費を設定。達成できなかった場合は減額している。
港湾局の担当者によると週休2日に取り組む事業者が増えているという。「週休2日が一般的になりつつある」と説明した。

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