小林製薬の紅麹事件、背景に日本の機能性表示食品市場の爆発的な伸び―中国メディア

2日、第一財経は、小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害問題について、日本の機能性表示食品制度が背景にあると報じた。

2024年4月2日、中国メディアの第一財経は、小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害問題について、日本の機能性表示食品制度が背景にあると報じた。

記事は、同社が生産した紅麹サプリメントを摂取した消費者5人が死亡し、100人以上が入院したことが明らかになり、同社が製品や原料の紅麹を分析した結果、想定外の成分が見つかったと紹介。同社は関連サプリメント製品3品目の回収を発表して消費者に使用しないよう呼び掛けているものの、今回の問題は日本国内企業3万社以上に影響を及ぼす可能性があると伝えた。

その上で、今回の問題では同社だけでなく、15年に導入された「機能性表示食品」制度もクローズアップされたと指摘。日本ではサプリメントが1991年に制定された「特定保健用食品」、2001年制定の「栄養機能食品」、そして「機能性表示食品」の3つのカテゴリーに分けられており、中でも行政による審査を必要としない届出制の機能性表示食品は制度が導入された15年4月から23年10月までの8年半で特定保健用食品の6倍に当たる6789品目にまで急速に拡大し、23年の市場規模も前年比19.3%増の6865億円に達したとみられることを紹介した。

日本の中小企業診断士の資格を持つ王淅(ワン・シー)氏が機能性表示食品市場の爆発的な成長の背景について、日本人の健康志向の高さが新型コロナによって一層加速したこと、これまでの研究成果を特定保健食品や栄養機能食品として商品化できなかった企業にとっては非常にありがたい制度であることを挙げて解説した。

王氏はまた「今回の問題で機能性表示食品制度の安全性に対して大きな疑いの目が向けられた。今後消費者が特定健康食品を選ぶようになることを関係企業は危惧している。日本政府も今後この制度の改善や変更に着手するはずだ」との見方を示した。(翻訳・編集/川尻)

© 株式会社 Record China