【西武】ドラ1武内夏暉が鮮烈デビュー 炭谷銀仁朗が「菊池雄星を思い出した」シーンとは

7回無失点でデビュー戦勝利の西武・武内

西武のドラフト1位・武内夏暉投手(22)が圧巻の制球力を見せつけた。3日のオリックス戦(ベルーナ)にデビュー登板。7回をわずか85球でまとめ、1安打無失点、7奪三振の好投で1999年の松坂大輔らと並ぶ球団8人目の初先発初勝利を挙げた。

先頭打者は毎回打ち取り、4回には杉本、森、頓宮のクリーンアップを力でねじ伏せ、鋭い変化球で3者三振に斬って捨てた。新人左腕はお立ち台で「とてもホッとしています。バックの皆さんに感謝しています。ストライク先行で投げられたことが良かったです」と初々しく振り返った。

3月29日の開幕楽天戦で8年目の今井が7回2安打無失点、11奪三振と圧倒的な投球内容でチームを白星発進へと導いた。そんな今井が7回116球だったのに対し、三振を欲しがらない武内は7回85球の省エネ投球。1球で打者を仕留められる制球力が大型左腕の強みだ。

この日バッテリーを組み、本拠地復帰戦で8回にダメ押しの適時内野安打も放った炭谷は武内がデビュー戦の重圧、寒さの影響などで直球が走らない場合も想定。試合前に「その場合は、こうしようというプランはいくつか持っている」と語っていたものの杞憂に終わった。

杉本、頓宮を圧倒した高めの直球で3者連続三振を奪った4回について「あれは武内の球が上回っただけ。(打順が2巡目で)もう1回締めてほしい回だった。(高めの)ボール球を振らせられるというのが菊池雄星(現ブルージェイズ)を思い出しました。武内の方が(ボールが)暴れてないですけど。抜け球を振るというのは打者が感じる何かがあるんですよ」と堂々たるマウンドさばきのルーキーを称賛した。

炭谷は「本当にルーキーっていうぐらい徐々に状態が上がっている感じ。キャンプの時もいいですし、オープン戦の時も今もいい。本当に順調に来ていますよね」とも補足。西武が待ち望んでいた〝四球で崩れない大物新人〟の今後にさらなる期待が高まっている。

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