川勝知事の〝ブレブレ発言〟に警戒感 「辞めるのや~めた」もある!?

県知事選で名前が浮上する細野氏と渡辺氏

まだ安心できない!? 職業差別的発言で辞職の意向を表明した静岡県の川勝平太知事が3日、会見を開き、改めて6月をメドに辞職するとした。過去にはボーナスを受け取らないと表明しながらも受け取っていた〝前科〟があるだけに、「辞めると言ったのをやめる」とちゃぶ台返しもあり得ると危惧されている。

会見で川勝氏は「心を傷つけたとすれば誠に申し訳なく、心からおわびしたい」と謝罪した。1日の新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち」と発言し、職業差別と炎上。2日に辞職を表明していた。

謝罪はしたものの、問題発言は「不適切だとは思っていない」「一部だけをとれば差別発言ともとられかねない」と繰り返し、「撤回しない」と最後まで頑固一徹の〝らしさ〟を見せた。リニア中央新幹線の2027年開業断念に追い込んだことで「一つの区切りをつけた」と胸を張ったが、永田町では「前言撤回があるかもしれない」とまだ川勝氏の辞職表明はうのみにはできないとの声が上がる。

〝失言大王〟の川勝氏は21年の参院静岡選挙区補選での応援演説で、対立候補が元御殿場市長だったことを念頭に「(御殿場市は)コシヒカリしかない。飯だけ食って、それで農業だと思っている」と発言し、紛糾した。辞職勧告決議が出て、ひと月分の給与とボーナスの約440万円を返上するとして、鎮静化させていたが、後に受け取ったままだったことが判明。不信任決議案提出に至っており、その場しのぎの対応も平気でしてきた。

今回の辞職もすぐに辞めれば収まるところだが、議会での手続きを理由に次回定例会が開かれる6月まで先送りしている。「(辞職届は)早く出すかもしれない」「議会の承認が必要」とのらりくらりで、事務方が引き取る場面も。6月1日時点に在職していれば夏のボーナスが支給されるとあって、「ボーナス狙い」との批判も噴出しているが、ただの時間稼ぎで風向きが変われば…との見方が出るのも当然だ。

前日には立憲民主党の渡辺周衆院議員に知事後継を打診した話が明らかになっていたが、その真意を問われ、「私が出ない時には連絡するとの約束を果たしただけ」と後継指名したわけではないと翻したことで、発言は全く信用を置けないとの懸念に拍車をかけることになった。

「知事選へ向け、渡辺氏のほかに静岡県選出の細野豪志衆院議員や元職の名前が出ているが、まだこの先、どうなるかは分からない」(同)。辞職が正式に決まるまでは、一杯食わされる事態があってもおかしくない。

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