新幹線乗ろうとしたのに止められない…越前たけふ駅無料駐車場の“誤算” 「お得で便利」掲げ福井県越前市は利用促進アピール

土日曜は満車が続く北陸新幹線越前たけふ駅の無料駐車場。越前市は乗降客優先を呼びかける看板を設置した=3月30日、福井県越前市大屋町

 福井県越前市の北陸新幹線越前たけふ駅が開業し、隣接する収容約600台の無料駐車場が土日曜は満車状態が続いている。駐車の利便性を前面に押し出して集客を図ってきた市にとっては予想以上の“うれしい誤算”だが、新幹線に乗ろうとする人が駐車できないケースも。市内外からの来訪を受け入れながらも、乗客が優先的に利用できる運用を探っている。

「お得で便利」

 同駅は、駅東のパークアンドライド用で437台、駅に隣接する道の駅越前たけふで170台の無料駐車場計607台分を備えている。郊外の立地を生かして市が昨年3月に整備。パークアンドライド用は市条例で7日間まで駐車できると規定、道の駅駐車場も24時間開放で、一体的に運用を始めた。

 県内の他の駅と異なり、在来線駅に併設しない単独駅。元々人の流れがなく、開業前は乗降客数が不安視される向きもあった中、市は広い無料駐車場を「お得で便利」と駅利用促進のアピール材料にしてきた。

「止められぬ」苦情も

 ところが、ふたを開けれてみれば、両駐車場は連日予想以上の稼働状況に。開業イベントが開かれた3月16、17日はもとより、別の大規模イベントがあった翌週末も満車となり、観光案内所には「新幹線に乗ろうとしたのに車が止められなかった」との苦情が複数寄せられた。イベントがなかった30日も午前中に満車となり、市職員が車両誘導に当たった。

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