主将奮闘記 東九州龍谷高校バレーボール部 忠願寺風来(3年) 【大分県】

東龍(東九州龍谷)の新主将・忠願寺風来が燃えている。2月に開催された全日本ジュニアオールスタードリームマッチに出場し、3月には全国高校バレーボール男女選抜強化合宿(3次)に参加した。夏には中津市で全国高校総体があり、忠願寺は「中学の頃から意識していた。地元・大分で開催される全国大会。燃えないわけがない。自分の成長した姿、強い東龍を見せたい」と気合が入る。

キャプテンとなって初めての公式戦となった県高校新人大会で41連覇、その後の全九州選抜高校大会8連覇を達成。改めてバレーボール強豪校の歴史と重責を感じたが、「勝ちたい気持ちを誰よりも強く持って、一戦必勝で戦うだけ。私には仲間がいるので、支えてくれる監督や保護者もいる」と気負いはない。これまでキャプテン経験はないが、チームで一番物おじせずリーダーシップもあることから抜てきされた。相原昇監督は「彼女がキャプテンとなったことでチームの士気が上がった。これまで見てきた選手の中で一番感情を表に出せる。吠(ほ)える姿を見てほしい」と闘将へ期待を寄せる。

東龍のキャプテンとなった忠願寺風来

プレー面での成長も著しい。「ミドルブロッカーとしては大きくはないが、動きがシャープになった。スパンと切れ味の鋭いブロックで相手のスパイクをシャットアウトできる」(相原監督)。さらに4月、中学ナンバーワンスパイカーとして国際大会でも活躍した妹・莉桜が入学した。「いい刺激になる。一緒に成長したい」と妹を支え、自分自身もステップアップを目指す。

練習着に張り付けた目標の言葉に「執念」と書いた。毎年学年が変わる段階で新たな目標を記す東龍の伝統だ。忠願寺はこれまで「人間力」「謙虚さ」と書いてきたが、最終学年となった今年は勝負にこだわる。取材中は一度も「日本一を目指す」との言葉を出さなかったのは、軽々しく口にするものでないとの思いがあったからだ。「昨年、おととしと全国で優勝争いできていない。これまでと同じことをしていては勝てない。自分に対しても人に対しても厳しさが必要だと思う。勝つために何が必要かを本気で考える1年にしたい。それができたときに結果がついてくる」と強い決意を口にした。

切れ味鋭いブロックを得意とする

(柚野真也)

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