ダラダラ働くことで残業代を請求する後輩。これってアリなの?

働いていないのに残業代を請求するのはアリ?

就業後にネットやおしゃべりなど、業務とまったく関係ないことをして職場に残っているだけでは、労働時間とはカウントされない可能性があるでしょう。これは、民法第六百二十四条に「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。」と定められているからです。

このように、労働者は働かなければその報酬を請求できないことが法律で定められているため、業務をせず社内にとどまっているだけでは、残業代を請求するのは難しいと考えられるのです。

ちなみに上記の民法第六百二十四条を根拠に、賃金を「働いたら支払う」「働かなければ支払わない」という考え方は一般的に「ノーワーク・ノーペイの原則」と呼ばれます。

ただし、会社の指揮命令下にある場合は残業代を請求できる可能性が高い

ただし、社内にとどまっている理由が、業務上仕方のない場合は残業代を請求できる可能性もあります。

例えば、クライアントから返事がこないと仕事が進まないため、やむを得ず社内で待っているということもあるはずです。また、他部署の対応待ちで仕事が滞ってしまい、就業後も待たされているというケースもあるでしょう。

ちなみに、タクシーの運転手がお客さまを待っている間、スマホを触っていたり、ほかの運転手と話をしていたりしても、お客さまが来た場合はすぐに対応しなければならないため、これらの時間も労働時間とカウントされると考えられています。

これらのことから、ネットやおしゃべりをしていたとしても、会社の指揮命令下におかれる場合は労働時間とみなされる可能性が高いため、残業代を請求してもおかしくないと考えられるでしょう。

残業代を請求できるかどうかは、業務に従事しているかどうかで判断される可能性が高い

就業後に業務とまったく関係ないことをして社内に残っているだけでは、労働時間とカウントされない可能性もあるでしょう。

しかし、クライアントや他部署待ちなど、業務上やむを得ず社内に残っている場合は、残業と判断される可能性が高いと考えられます。

社内に残っている理由により残業代が請求できるか否かが変わってくると覚えておきましょう。もし、上司からの指示がなく、故意でダラダラと仕事をしていた場合は、注意をするとよいでしょう。

出典

e-Gov法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 第六百二十四条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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