サイドブレーキ忘れは「6000円」の罰金で済まないかも…。事故を起こすとどうなる?

サイドブレーキの利用は法律義務

オートマチック車(AT車)を駐停車して降りるときは、通常はシフトをPに入れるだけではなく、サイドブレーキをかけなければなりません。マニュアル車(MT車)も同様に、サイドブレーキをかける必要があります。

この停車措置は単に勧められていることではなく、法的義務(停止措置義務)です。これは、道路交通法第七十一条 五で、「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」と定められているからです。

「完全にブレーキをかける」とされているため、シフト操作だけでなくサイドブレーキもかける必要があります。

サイドブレーキをかけないで駐停車するとどうなる?

サイドブレーキを使わずに駐停車し、車から離れることは法律違反(停止措置義務違反)であり、反則金の支払い対象になってしまいます。表1は反則金をまとめたものです。

表1

※警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」を基に筆者作成

「たかがサイドブレーキくらいで」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかり反則金を取られてしまうため、注意が必要です。

また、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第五条では「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する」とされています。

つまり、万が一サイドブレーキが壊れて車が動き出してしまい、人を死傷させてしまうと、7年以下の懲役もしくは禁錮、ないしは100万以下の罰金に処せられるのです。これを「過失運転致死傷」といいます。

車を駐停車する正しい方法

車を駐停車して外に出るときは、以下の操作を行ってください。

__1.原動機(エンジン)を止める
2.サイドブレーキをかける
3.シフトをPに入れる__

__1.エンジンを止める
2.サイドブレーキをかける
3.シフトをバック(下り坂か平地)あるいはロー(上り坂)に入れる__

正しく駐停車して無駄な出費や不慮の事故を防ごう!

車を駐停車して外に出るときは、エンジンを停止したうえで正しくシフト操作を行い、必ずサイドブレーキをかけなければなりません。

「少しの時間コンビニに行くだけ」「ほんの十数秒車を離れるだけだから」と思ってサイドブレーキをかけずにいると、道路交通法に違反します。反則金を支払うことになれば手痛い出費が発生するほか、万が一事故につながればもっと重い事態になります。

すべてのドライバーは、車が凶器になりえることを忘れず、安全運転・安全操作を心がけましょう。

出典

e-Gov 法令検索 昭和三十五年法律第百五号 道路交通法 第七十一条 五
e-Gov 法令検索 平成二十五年法律第八十六号 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 第五条
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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