白鵬が今さら日本の相撲を理解できるのか 伊勢ケ浜親方の「謝罪行脚指令」も馬の耳に念仏の懸念

紗代子夫人とともに伊勢ケ浜部屋へ挨拶に訪れた元横綱・白鵬(C)日刊ゲンダイ

親方の取るべき行動として、当然である。

昨3日、部屋の一時閉鎖が決まった宮城野親方(39)が、転籍先の伊勢ケ浜部屋を騒動後に初めて訪問。妻と弟子の間垣親方(元幕内石浦)の3人で赴き、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)からは「全国に行って(弟子の)親御さんに会ってきなさい」と言われたという。

弟子の暴力行為を放置した挙句、相撲協会の調査を隠ぺい工作で誤魔化そうとしたことも発覚。協会執行部の逆鱗に触れ、一時的な部屋閉鎖を余儀なくされた。自分を信頼して我が子を預けてくれた弟子の親に直接、説明や謝罪をするのは当たり前だ。

「伊勢ケ浜親方は協会執行部から、白鵬への『親方としての教育』を任された。やる気も十分で、長い時間をかけて話し合った執行部からも期待されている」(ある親方)

とはいえ、いくら伊勢ケ浜親方が使命感にかられても、白鵬の胸にはどこまで響くやら。引退して親方になる時も、「協会のルールから逸脱しない」などの異例の誓約書を書かされながら、今回の不祥事。現役時代のやらかしを反省していたかどうか、疑問が残る。

日馬富士による貴ノ岩殴打事件に揺れていた2017年11月場所では、協会がまだ事件を調査中にも関わらず、優勝インタビューで「日馬富士と貴ノ岩を再び土俵に上げたい」と、何の権限もないのにぶち上げた後に万歳三唱。協会に呼び出され、叱責された。

19年3月場所では、表彰式で今度は三本締め。再び協会にカミナリを落とされたが、「万歳三唱はダメだけど、これならいいと思った」と話していた。

「今の時代、相撲を神事と捉えている力士はほぼいないだろうが、それでも日本文化が土壌にある。しかし、モンゴル出身の白鵬はそれを理解できず、相撲をただのプロスポーツとして思っているフシがある。世界各国から相撲少年を集めて毎年開催している白鵬杯も、数か国の国旗が飾られる中、中央にあるのはモンゴル国旗。相撲とは何かを最も一番理解していないのは、白鵬自身かもしれない」(前出の親方)

そんな白鵬に今更「親方とは……」と説いたとこで馬の耳に念仏。伊勢ケ浜親方の骨折り損にならなければいいが……。

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伊勢ケ浜部屋に在籍する横綱・照ノ富士は、2017年に勃発した「大事件」によって白鵬との間にただならぬ因縁がある。いったい何があったのか。

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