【早出し】上杉鷹山ゆかり-米沢・普門院の本尊 修復のため230年ぶり堂外へ

修復のため約230年ぶりに寺の外に運び出される大日如来坐像=米沢市・普門院

 国指定史跡で米沢藩9代藩主上杉鷹山とゆかりが深い米沢市関根の普門院(高橋隆文(りゅうぶん)住職)で、本尊の木造大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)が3日、修復のため約230年ぶりに寺の外に運び出された。

 同寺によると、仏像は1794(寛政6)年ごろ、西川町にあった湯殿山本道寺(現口之宮湯殿山神社)から伝わった。高さは97.5センチ。顔や衣の特徴から江戸前期から中期の制作とみられる。昨年の調査で、台座に亀裂が見つかり、修復することにした。完了まで1年かかり、台座の補強を中心に行う。

 仏像の魂を抜く閉眼法要の後、修復する東北古典彫刻修復研究所(上山市)の牧野隆夫所長らが仏像、光背、台座を分解し、丁寧に梱包(こんぽう)して運び出した。

 同寺は1796(寛政8)年に鷹山が恩師の儒学者細井平洲を出迎えた場所として語り継がれる。高橋住職は「多くの人が守り継いだ仏像を残したい。再会を楽しみにしている」と話していた。修復費は約720万円で一部をクラウドファンディングで調達する。

© 株式会社山形新聞社