芸工大生、アイデア競う DXで山形市の課題解決

特別賞に輝き、井上貴至副市長(中央)に企画書を渡した川口夕輝さん(左)と星里穂さん=山形市・東北芸術工科大

 デジタルトランスフォーメーション(DX)による山形市の課題解決をテーマに、東北芸術工科大企画構想学科の学生がアイデアを競ったコンペティションの表彰式が3日、市内の同大で行われた。特別賞には、いずれも2年の星里穂さん(19)=福島県南会津町出身=と、川口夕輝さん(19)=宮城県塩釜市出身=が輝き、困り事の共有や移住促進などを提案した。

 コンペは毎年度3回行われる「企画書展」。今年1月に募集した2023年度の3回目は初の試みとして、DX分野に強みを持つメコム(山形市)とNEC山形支店(同)が実現可能性を重視して審査し、約130の企画から選んだ。

 星さんの企画は電光掲示板「デジタルツリー」を街中に設置する。「トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)が使えるトイレを増やして」「迷子の猫を探してほしい」など行政への要望や困り事を投稿し、「見える化」して共有する。解決に協力した人にデジタル地域通貨を贈り、経済活性化も図る。

 川口さんは市の移住希望者向けサイトに、市内の暮らしを体験できる特設ページをつくるアイデアを出した。市民から寄せられた情報を盛り込んだ地図を作成し「午前7時から営業する人気パン店」「午後1時台の乗客が多いバス停」といった実用的なコメントが表示される機能を想定する。

 表彰式で企画書を受け取った井上貴至副市長は「市はDXに力を入れており、若者の提案は心強い。施策に生かしたい」と話した。

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