八王子市内子育て支援団体 「座談会」で悩み共有 活動認められ文科省表彰 八王子市

初宿市長(右から3番目)と文部科学大臣表彰を受けた「星とおひさまFikaキャラバン」のメンバーたち

市内を中心に子育ての悩みを共有する出張座談会などを行う「星とおひさまFika(フィーカ)キャラバン」(金井直子代表)が文部科学大臣表彰を受けた。これは国の推進する「家庭教育支援チーム」のなかでも、特に優れている団体に贈られる。3月28日には、初宿(しやけ)和夫市長の元を訪れ功績を報告。市内で同チームとして表彰を受けた団体は初めてで、金井代表は「(表彰されたことで)今の活動路線でいいんだと改めて思った」と話した。

子どもたちの健やかな成長を目的に、国は地域で家庭教育をサポートする団体を「家庭教育支援チーム」の一員として登録する制度を設けている。その数は全国で423(2024年4月1日現在)。都内では12団体が登録されている。

その中で、国は特に活動内容が優れている団体を定期的に表彰。2017年度から隔年で3回行われ、計84団体が選出。この第4回の結果が昨年末に文部科学省のウェブサイトで発表されていた。

八王子で初

第4回で選出されたのは全国で20団体。八王子で初めての選出となったのが、支援団体「星とおひさまFikaキャラバン」だ。フィーカとは、北欧の生活習慣で身近な人とくつろぎながら話をする時間のこと。「星」はメンバーたちが、17年まで市の教育委員を務めていた星山麻木氏(明星大学教育学科教授)の指導を受けていることに由来する。

同団体は、市内の小学校などの保護者会のタイミングで出張し、保護者を対象に「パパママ⽀援ワークショップ」として座談会形式の相談会を実施。子育てや学校生活の悩みを共有し、保護者の精神的負担を軽減させたり、必要な相談機関につなげることを目的に市内各地を巡っている。実施時には、訪問先の管理職や教員、PTAなどと事前に調整を⾏い、派遣するメンバーやプログラムについても検討している。

メンバーは、早期発達支援コーディネーター、市内小学校の学校コーディネーター、特別支援教室専門員、市立中学校連合会相談役など、子どもに関する幅広い知識をもつ。現在活動するコアメンバーは7人。小学校などへは22年度で12回開催し、保護者など204人が参加した。

不安の中で育児

3月28日の市長表敬訪問には、同団体の金井代表ら6人が出席。初宿市長が「保護者の心を受け止める活動を実施していただき感謝。話しやすい雰囲気づくりが良いと聞いている」と謝意を表明。それに対し金井代表は、講義形式ではなく座談会形式にすることで「保護者がリラックスして話ができるよう心がけている」と話した。

金井代表は活動を通して、「保護者たちは自分の子育てが正しいのか誰にも評価されず、不安の中で育児している」と所感を述べ、「座談会を通して悩みなどを自己開示し表情が柔らかくなっていく保護者を見るとうれしさを感じる」と締め括った。

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