世界のVC投資、第1四半期は5年ぶり低水準 高金利が重し

Yuvraj Malik

[3日 ロイター] - 調査会社ピッチブックによると、世界のベンチャーキャピタル(VC)投資は2024年第1・四半期に約5年ぶりの水準に落ち込んだ。人工知能(AI)分野への大規模な投資にもかかわらず、高金利が企業の資金調達の足かせとなっていることが背景。

第1・四半期の投資額は759億ドルで、2019年第2・四半期以来の低水準。案件数も1万0222件と約4年ぶりの水準に落ち込んだ。

米金融引き締め政策により、VCの主要な収益源である新規株式公開(IPO)の回復が遅れている。VCは一般的にスタートアップ企業に投資し、IPOで株式を売却する。

ピッチブックのリードVCアナリスト、カイル・スタンフォード氏は大企業のIPOが進まず、市場のリターンを圧迫していると指摘。

「ディール活動が短期的に意味のある形で回復することは期待できない」と述べた。

年内には米利下げが予想されていることから銀行関係者や投資家は、今後数カ月でIPOが増えるとみている。

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