かつての輝きはどこへ。森保ジャパンで主力中の主力だった頃の面影はなく、FC東京戦で存在感を示せなかった“浦和の10番”

背番号10を付けながらも途中出場で、シュートは0本。かつての輝きはどこへと思ってしまうほど、中島翔哉のプレーにキレがなかった。

国立競技場でのFC東京との一戦(4月3日)、1-2で迎えた70分、浦和の中島は岩尾に代わって2列目中央のポジションに入った。ボールは友だちを地で行くテクニシャンがどんなプレーを披露してくれるのかを楽しみにしていたが、その期待は裏切られた。

パスを受けても身体が重そうで、簡単にボールを失う場面も。森保ジャパンで主力中の主力だった頃の面影はなく、存在感を示せなかった。

この日は中島だけが精彩を欠いていたわけではなく、チームそのものの出来が良くなかった。攻守のバランスが悪く、その点ではむしろヘグモ監督の采配を批判すべきなのかもしれない。それでも…。中島は悪目立ちしていた印象だ。

松木(20歳)や荒木(22歳)と同じ年齢だった頃は、創造性溢れるプレーで観衆を沸かせていたではないかと、記者席から見て素直にそう思った。

昨季は怪我もあり本領を発揮できなかった中島が、今季ここから巻き返せるだろうか。まだ29歳。老け込む歳ではない。才能溢れるプレーをピッチで見せてほしいと願う。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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