『ONE PIECE』覚醒すれば最強になれる? 「ノロノロの実」とフォクシーは本編で再登場できるのか

『ONE PIECE』では2024年4月現在、「東の海(イーストブルー)編」から「エッグヘッド編」までの19編の冒険譚が展開されている。その中でも濃密な「空島編」と「ウォーターセブン編」「エニエス・ロビー編」に挟まれ、箸休め的な扱いをされているのが「デービーバックファイト編」だ。

「勝者が敗者の仲間を奪う」というなんとも海賊らしいゲームが主軸となった物語であり、普段とは一味違う雰囲気を味わうことができる。ボスとなる“フォクシー海賊団”船長フォクシーはゲームに勝つためならどんな手でも使う卑怯な男だが、コミカルでどこか憎めないキャラクターだ。だが、今回注目したいのは彼の「ノロノロの実」の能力だ。

■ノロノロの実の可能性は無限大?

ノロノロの実の能力としては、「ノロマ光子」という光子を体から発せられるようになる。ノロマ光子とは、浴びたもの全てをノロくするという未知の光子だ。作中ではノロノロビームを鏡に反射させたり、ビームソードとして使用するなどの意表を突く使い方をしていた。

また、砲弾を遅くしてその上に乗り、効果が切れたら砲弾の速度で殴りかかるという応用も効く。本人の発想や周囲の環境によっては、可能性は無限大と言える。実際に当時賞金1億ベリーのルフィに対し、2400万ベリーという4分の1以下の賞金額のフォクシーが互角に渡り合えていたのは、本人の発想と応用力の賜物だろう。

全てをノロくするという能力の性質から、ネット上では「覚醒すると時を止められるのではないか」との意見も出ている。また、対を成す能力として「肉体を光に変え光速移動する」ピカピカの実の能力者“黄猿”と絡んで再登場するのではないかとの考察も。中には「フォクシー自身は弱いから、黒ひげ海賊団に能力を取られて再登場するのかも」と不穏な考察をする者もいた。まだまだ本編に絡む余地があるフォクシーの再登場が待たれる。

■デービーバックファイトならではの名シーン

物語の主軸がゲームという珍しいエピソードであり、始終「お祭り騒ぎ」感の強い本エピソードはギャクのテンポも軽快で楽しい。しかし「負けると仲間を奪われる」というペナルティの大きさから、戦闘は真剣だ。その対比が名場面を生み出している。その1つがロロノア・ゾロとサンジの共闘シーンだ。

ゾロとサンジは犬猿の仲で知られており、くだらない理由で小競り合いをしていることも多い。第2ゲーム「グロッキーリング」では、そんな2人がタッグを組んでチーム戦に挑むことになった。

「グロッキーリング」は“球印”を頭につけたプレイヤー“ボールマン”を敵陣のリングに叩き込めば勝ちという単純明快なゲーム。素の戦闘力では敵チームよりもゾロ、サンジが上回っていたが、コート上でもゲーム無視で喧嘩を止めない2人の連携は最悪だった。敵チームの卑怯な戦法も相まって苦戦を強いられることに。

地面に転がされた血塗れの2人が、ついに共闘することを決意したシーンには震えたファンも多いだろう。卑怯な手を一切使わず、「10秒」という宣言通り短時間で鮮やかに戦況をひっくり返した2人。その後のエピソードでも協力するシーンはあるものの、ここまでしっかり共闘するシーンは稀であるため、ネット上では再現を願う声も多く上がっている。

お祭り騒ぎ感とその能力の特異性から、読者の印象に強く残っている「デービーバックファイト編」とフォクシー。過去の物語が伏線となっていたり、意外なキャラクターの再登場がある『ONE PIECE』ならではの方法で、また読者を楽しませてくれる時が来るかもしれない。

(ヨークシャー)

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