【岩本輝雄】日産スタジアムのピッチ、大丈夫? 選手たちがちょっとかわいそうだった“神奈川ダービー”。0-0でも面白かったけどね

[J1第6節]横浜 0-0 川崎/4月3日/日産スタジアム

マリノスとフロンターレ。近年のJ1で覇権を争ってきた両チームの対戦は、珍しく1つのゴールも生まれず、スコアレスドローで終わった。

決定機の数で言えば、マリノスのほうが多かったかな。特に前半は何度もポストに嫌われて、あと一歩というところだった。惜しかったね。

ゴールはなかったけど、退屈だったというわけではない。攻守にインテンシティが高く、局面の勝負は見応え十分。ある意味、0-0の状態が続いていたからこその緊張感もあった。これはこれで面白いよね。

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それよりも残念だったのが、ピッチの状態。茶色い部分が目立っていたし、すぐに剝がれたり。スタンドから見ても、大丈夫かな、という感じだったから、実際にプレーしている選手たちは、かなり神経を使っただろうし、ちょっとかわいそうだった。

日産スタジアムは、昔のベストピッチ賞に何度か選ばれていて、僕も良いイメージがずっとある。でも、この日は...心配になるぐらいだった。

マリノスもフロンターレも、ボールを大事にするサッカーが持ち味のチーム。その良さを出し切れていなかったように見えた。もちろん、すべてがピッチのせいではないだろうけど、もう少し良い環境で、多くの注目を集めた“神奈川ダービー”を見たかった。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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