奈留さくら保育所が移転 長崎県内初、学校の空き教室を活用 小中校舎で多世代交流

開所式でテープカットをする園児ら=五島市、奈留さくら保育所(市提供)

 長崎県五島市奈留町の奈留さくら保育所が同市立奈留小中の校舎内に移転し1日、現地で開所式があった。整備した市によると学校の空き教室を活用した保育所整備は全国的にも珍しく、県内でも初めての取り組みという。入所する1~5歳の園児13人と、中学生までの計56人が同じ校舎で学ぶ。
 保育所は2020年度に市内の社会福祉法人から市が引き継ぎ、市社会福祉協議会に運営を委託。施設は無償貸与を受けて利用していたが23年度末で契約が満了した。今回、県立奈留高も隣接する同小中校舎内に移ることで、多世代間の交流促進を図り、子どもたちの豊かな心を育む狙い。
 市の子ども政策として約3500万円かけて、2階建て校舎の1階に保育スペース(242平方メートル)を整備し、園庭(608平方メートル)も確保。2階は小中学生の教室として活用する。安全面から自由に往来はできないが、定期的に交流促進も図る考え。

空き教室に整備された保育スペース(五島市提供)

 園児や保護者、学校教諭ら関係者約50人が出席した開所式で、今村晃市福祉保健部長は「奈留島が子育て環境として素晴らしい島であることを発信していきたい」とあいさつ。運営する同社協の夏井竜彦奈留支所長は「交流が図られ、思いやりの醸成や心身の成長につながることを期待したい」と述べた。
 テープカットには園児らも参加し、合唱も披露。にぎやかに新園舎の誕生を祝った。

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