使用済みランドセル、防災用ポシェット「ランポシェル」に 福島県会津若松市の羅羅屋が中学生に贈る

北常務(右)から防災ランポシェルを受け取った馬場さん家族

 福島県会津若松市に工場を置くランドセル製造・販売の羅羅屋(本社・埼玉県川口市)は、使用済みランドセルを防災用のポシェット「ランポシェル」に作り直し、中学生に贈った。贈呈式を同工場で行った。

 創業50周年記念事業の一環。ランポシェルには災害時に役立つ保存水、救急セットなどを入れ、希望を募り50人に提供した。贈呈式では、北良明常務が南相馬市の中学2年・馬場千紘(ちひろ)さんにポシェットを手渡した。

 6年間の思い出が詰まったランドセルは、お気に入りだった花柄のポケットを残したポシェットとなり、脇にあった刺しゅうの部分も革製の手帳に生まれ変わった。千紘さんは「使っていた物がそのまま小さくなった感じ。うれしい」と喜んだ。父利徳さんと母愛美さん、妹で小学4年の美乃莉(みのり)さんも同席した。

 千紘さんは生後8カ月の時に東日本大震災、東京電力福島第1原発事故が起きた。当時は富岡町に住んでおり、避難生活を経験した。愛美さんは「(千紘さんは)まだ幼かったのでその頃の記憶はほぼないはず。身近な物から災害への備えを考えるきっかけにしてほしい」と願った。

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